62/211
9話-2
時を遡る事、10分程前
きっかけは些細な事だった
「さて、今日は誰がご飯作る〜?」
「…とりあえず、姉貴だけは辞めてくれ(ボソッ)」
「今、何て言ったぁ〜?」
(地獄耳!?)
『いや…なんでも…』
「ふ…ぅ〜ん…
なら、今日はアタシが作ろうか!」
その瞬間
その空間が凍りついた
「…な、何よ!その反応!」
-ポンッ-
俺は姉貴の肩に手を置いた
『…姉貴…いや、姉さん』
「由月…?」
『…いいんだ…
…もう…いいんだ…』
「な、何よ!
その慰めかた……
…こうなったら…勝負よ!!」
『なんだよ…そのぷよぷよのストーリーモードみたいな展開は…』
「いいから、勝負しなさい!!
アンタのその鼻っ柱へし折ってやるわ!」
『…別に天狗になった覚えはないが…
いいぜ?…何するんだ?』
「トランプ…ポーカーの五回勝負!
勝ったほうが今日の晩御飯…誰が作るかを決める権利が与えられる!」
『…ほう…上等だ…』
「意地でも、アンタにまた私の手料理を食べさせてあげるわ!」
『……やれるものなら、な』
その時、俺は不敵に笑った