8話-3
「ゆづ兄ぃ〜遅い〜」
「遅いよ〜ゆづ兄ぃ〜」
テーブルの上には朝飯にしては豪勢な料理テーブルから溢れんとばかりに置かれていた
『あー…悪い悪い』
「…お兄ちゃん…その…」
『あ、瑠名
今日は君と沙夜が作ったんだったな』
「う、うん…食べてくれる?」
『もちろん……へぇ、美味そうだな』
「…あ、ありがと」
『さて、いただきま…』
「じゃ、私達は先に行くから」
「私達、先に行くからね」
『…なんだ?惟、舞…
食べないのか?』
「私達は食べたんだよ」
「ゆづ兄ぃが来る前に食べたんだよ」
『え…そうなのか?』
「じゃあ、ゆっくりしていきなさい」
『姉貴…まさか…』
「?
なに?」
『……朝飯は?』
「もちろん!
…食べたけど?」
その瞬間、
俺は一気に血の気が引いていくのがわかった
『…る、瑠名と沙夜は?』
「食べたよ?」
「お腹いっぱいです」
『…え?
…じ、じゃあ…これ誰が食べんの?』
「ゆづ君ですよ?」
『いや…流石に時間ないし…こんなに沢山は……』
「…お兄ちゃんは私の料理……いらないんですね…」
『え?
いや…そんな事…』
「…ゆづ君…」
『そ…そんな目で見るな…
…わ、わかったよ!
食べる!
食べさせていただきます!』
瑠名と沙夜はとたんに笑顔になった
「残さず食べて下さいね!」
「お兄ちゃん!」
…TIMELIMITは10分
それ以上だと遅刻…
そして、明らかに全員分で充分だろうこの量…
俺の戦いが始まった……