8話-2
「わ、わかりませんか?」
何故か沙夜の頬が赤い
『…あの時って…どの時の事だ?』
「…そ、それは…」
沙夜は目を伏せ
頬はさらに赤みを増した
「……かづ君が消える前…言ったじゃないですか…私……かづ君の事……」
『ッ!!…あ…あれは…あの時…なんか…い、言わなかったか?』
「…自分は消えるからとかどうとか…
でも、今は関係ないじゃないですか…」
『それは…その…』
寝起きで頭が回らなかったのもあるが
俺は自分でも意外なくらい動揺していた
「わ、私は…かづ君がゆづ君になってもあの頃の気持ちは変わりませんよ…
ゆづ君はどうなんです?」
『お、俺は………
…………
…そうだな』
俺は目を閉じて
一瞬、考えた
『…まだ、それには答えられないな…
世界が…今、大変な時なんだ
決着…つけない限りは…』
「……かづ君」
『……今は由月だよ
…それに、君も沙夜だろ?』
「へ?」
その時、
-チュッ-
俺は沙夜の額にキスをした
「か、かづ君?!」
『…今の君に手を出したら犯罪だ
…と、
とりあえず、外で待っててくれ』
俺は沙夜を扉の外に引っ張った
その後、扉を閉めた
-バタン-
「…………」
-ボンッ!-
「ゆ…ゆづ君にオデコにチューされちゃったよぅ〜
ど、どうしよう〜」
沙夜は半分嬉しそうに頭を抱えていた