54/211
8話-1
-翌日(6月21日)-AM7:13
……
『…っ……ん?
なっ!?こんな時間…早く弁当作ら……』
(…………)
我ながらベタな事をしたものだ
『ふぅ…今日からはそんな必要なくなったんだったな…』
俺は頭をかいて
布団にもう一度潜ろうとした
が、
-バタンッ-
「ゆづ君〜朝ご飯ですよ!!」
-カンカンカンカン!-
沙夜はフライパンをおたまで叩いていた
(…なんて、ベタな…)
『…沙夜、もう少し寝かせ…』
「駄・目・で・す!
起きて下さい!!」
『…ぐ…だが…』
「だが、じゃないです!
今日の朝ごはんは私とるーちゃんで作ったんですから!
冷めないうちに食べて下さい!」
『…………わかったよ』
俺は渋々立ち上がった
「………」
『……なんだ?沙夜?
着替えるから出ててくれないか?』
「…ゆづ君…いえ、かづ君
その前に一つ聞いていいですか?」
『…沙夜…
いや、沙由…
なんだ?』
「あの時の返事…まだ聞いていないと思って」
『……あの…時…?』