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7話-2
-6月20日-AM7:03
「ゆづ君〜朝ですよ〜」
『…ん……あ…沙夜』
「おはようございます
ゆづ君」
『あ……ああ…』
…前の世界を記憶を取り戻してからと言うもの
沙夜は沙由の頃の喋り方をする
本人にとってはそれが自然なのだろうが
沙夜の容姿で言われると
沙夜のイメージと矛盾して違和感を覚える
「今日も朝ごはん、お願いしますね」
『……りょーかい』
世界が大変な時だと言うのになんとも平穏な日常なのだろうか…
しかし、ながら俺はこの場を離れる訳にはいかない
彼女達を守る事が俺の使命であり
彼女達の無事を望むのは家族として当然なのだ
何も無いならそれに越した事は無い
『…沙夜…調子はどうだ?』
「問題、ありません!」
『そうか、なら…よかった…』
…沙夜が記憶を取り戻した事…
沙夜自身に沙由としての記憶が蘇った事は
つまりは彼女が覚醒したと言う事だ
覚醒と言っても何に覚醒したかなんてわからない
だが、その覚醒によって惟、舞に何らかの影響を与えかねない
だから、対処出来るかどうかはわからないが
俺達は彼女の様子を気にかけなければならなかった
 




