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5話-3
-5月15日-PM3:28
あれから十日
俺達はイタチごっこを続けていた
奴らの行動を特定するモノは一切見つからなかった
奴らの隠蔽工作のLevelが高いのか…
捜索する者が無能なのか…
どちらにしろあまり俺達の行動に効果があるとは思えなかった
…屋上
『……はぁ』
(どうにかならないものかな…
いっこうに成果が上がらないなんて…
どうなってんだよ…)
その時、後ろから声がした
「やぁ、浮かない顔してどうしたんだい?」
振り返ると
十日前に階段ですれ違った銀髪に赤目の男子生徒だった
『……??』
「ああ、自己紹介がまだだったね
私は銀宮陽一、
三年生だ」
『…はぁ、はじ…めまして…?』
「君の噂は聞いているよ
藍坂由月、
『約束された勝利の剣』など色んな二つ名がある事で有名…」
『はぁ…そうですか…』
(…どうやら、
俺は無自覚の内に結構な有名人になっていたらしいな…)
「ところで、悩み事かい?」
俺は少し考えて、
言った
『…まぁ、そうなる…かな』