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0話-2
『くっ…』
私は一端距離を取った
今、"彼女"は何をしてくるかわからないからだ
「…づ……」
『え…?』
"彼女"は何かを言うと
"彼女"の『影』がこちら側に動いた
そしてその『影』は実体化し、
私のよく知る『あの人』の姿になった
『これって…!!』
『影』が私に向かってくる
両手に『影』で出来た刃物…ナイフの様な物がある
『影』は右のそれで私に突っ込んだ
『!!』
私は斧でとっさに防御した
しかし…
-バシュンッ!-
『えっ…!
…がはっ』
まるでプリンやゼリーにスプーンを入れる様にいとも簡単に斧を私ごと貫いた
『影』はそのまま大剣となり私を貫いた
『くっ…そ…うか…
貴女の"彼"への想いに…
私の斧なんかが敵うはずが無い…
素敵な人だものね…"彼"は…』
「………」
-ゴゴゴゴゴ…-
『…世界が…崩落…潰れる…?
…消える…?
どうやら、もう止められないのね…貴女を…』
「………」
『ふふっ…
…まさか、私が歴史の立会人になるなんてね…
…せめて、素敵な世界を作ってね…
…創世者さん』
そして、世界は消え…
新たに作り替えられた
第0話 創世者