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来てしまった今日と共に  作者: 結城コウ
197/211

『来る事は無い昨日を想う』9-5

-同日-PM0:00



行進が開始された



俺達が何番目に出るのかわからないが


街自体が学園であるこの学校では


街を一周するらしい



さっきまではどうでもよかったが


いざ、本番になると


そうもいかなくなった


(…とんだ、恥晒しだな)


少し俯いて

長目の前髪で少しでも顔を隠そうとすると視線が突き刺さった


好奇の目に晒されるのは先から何度も受けているが


その視線は性質が違う事を俺は能力で感じ取った


視線を上に向けると


瑠月と目があった


一瞬、たじろぎそうになったが、俺は平静を装った


瑠月は美術部で俺達のいくつか前だ


瑠月は不思議そうな目をしていた


瑠月には演劇部に入った事を伝えていない


別に隠した訳ではなく


教えてなかっただけだ



だから、彼女は俺が演劇部に入った事を知ってるかどうかは知らない


ただ



全てを見透かしてるような瞳で



俺を見つめていた


俺が見つめ返して


しばらくすると、瑠月が赤面し


目を反らした







第9話 魔女

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