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『来る事は無い昨日を想う』8-5
どうしてこうなったのだろう…と言うと
今日の朝、部室に行くと部長にお茶を出された
それを何の注意もなく飲んだのが間違いだった
どこから手に入れたのかそのお茶には睡眠薬が入ってあった
意識が覚醒した時には今の状態
衣装や髪を女の子っぽくセットしただけでなく
ルージュまで塗ってあるところを見ると
どうやらご丁寧にメイクまでされたらしい
『一歩間違えたら犯罪だろ…と、言うより犯罪だろコレ…』
その時海月がポンと肩に手を置いた
そして眼の端に涙を浮かべたままフルフルと首を横に振った
(諦めろってことかよ…)
「し…しかし…凄いな…二人共…」
黒鐘がそう言うと俺と海月以外が同調した
「普通に女の子で通用するわよ、雨月君
もちろん、海月ちゃんもカッコイイわ」
『お…俺は男だぁあああああッ!』
「わかってるわ、でも、その前提があってもなくても可愛い事には違いない」
「雨月、無駄だよ…今の部長に何を言っても…無駄だよ
…無駄だよ…無駄」
…大事な事なので三回…いや、四回言いましたって?
第8話 感動の文化祭、悪夢の文化祭




