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『来る事は無い昨日を想う』7-4
-同日-帰路、夕暮れ
あの後、紺野姉妹と別れ
俺は帰路についた
(…トモダチ、か…)
-もう少し、嬉しそうにしたらどうだ?-
"俺"が語りかけてくる
『………あまのじゃくな奴だな
仮に俺が嬉しそうにしてたとしてたら
お前は浮かれるもんじゃないって言うだろ?』
端から見たら独り言を呟く危ない奴だな、と心の中で苦笑しながらも本当に危ない奴じゃないかと思った
-……かもな-
『……あの時…お前なんて言おうとしたんだ?』
-あの時?
……ああ…あれか-
『俺は…なんで…』
-…教えてやるから、深く考えるな-
『なに…?』
-そちらのほうが…お前の為だ-
『…………わかったから、話せよ』
-……そうだな
…人が人である境界
肉体的にも…精神的にも
俺達は多分、その境界の越えるか越えないか
そんな危険な場所にいる-
『…危険人物……だからな…』
-あながち間違いでもないがそういう訳じゃない
…あの娘らは完全に人間側だ
だが、俺達は…人間と奴らの境目だ-
そう言い、"俺"が指差した先には"奴ら"がいた