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『来る事は無い昨日を想う』7-2
(…そう…俺は人と同じ場所に立てるだけで満足しないといけない…
それ以上を求めちゃいけないし
求められる訳にはいかない
だって…俺は……
…俺は?)
「青海さん」
『ッ!
何…かな?』
意識が別の場所にいきそうになった
(ちょっと待て…俺は今…なんて…何を…思った…?)
-教えて…やろうか?-
(!
"お前"は黙ってろ!)
「青海さん…私は貴方に似た人を知ってます」
『え…?』
-…………-
「その人は…自分が思ってる以上に傷付き易い人でした
でも…だからこそ
その人は自分が他の誰かを傷付けるのを恐れた」
『俺は…別に…そんなんじゃ…』
「だから…その人は誰も傷付かないように
他人を拒絶しました
…それでは
自分も傷付かないかも知れないかも知れませんが…傷が癒えないはずなのに…です」
-割れた…硝子は危険だ
…心も…硝子と同じ…と言う事か-
『…その人は…どうなったんだ?』
「…亡くなりました
…人を庇って…身代わりに…」
『…俺にも同じ臭いがすると言うのかい?』
「はい」