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『来る事は無い昨日を想う』7-1
「で、でも…それじゃあ…」
『…誤解を招く言い方になるかも知れないが…日常茶飯事なんだ』
「え?」
『……危険人物なんだよ、俺は
…多分』
「そ、そんな事…」
「青海さん、それは…」
(少し…お喋りが過ぎたかも知れない…)
俺は眼を隠すように少し俯きながら言った
『……いや……忘れてくれ
……でも、心には留めてくれ…』
カップを取ると既にほぼ空に近い状態だった
俺は底に溜まっていた僅かな滴を啜った
ぬるかった
「青海さん…貴方はどうしてそんな風に…」
『いや、すまない
…悪かったよ』
「…うづ君は悪くないです」
『む……そうか…』
(…やっぱり…誘いを受けるべきではなかったのかも知れない…)
嫌な空気になったと感じた
「……似てる…」
沙那が呟くように言った
『え…?』
「あ…いえ…こちらの話です」
『……そう…か』
「…でも…青海さん
どうして貴方は…そういう風に…」
『…人を近づけだからない…とか?』
「…はい」
『…性分だから…悪いな』