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『来る事は無い昨日を想う』6-4
『へぇ…』
「信じてない?」
(…いや…ここは…)
『…面白そうだな』
「あら…意外な反応ね
青海君なら、信じないだろうと思ったのに」
『少し…興味が沸いたのさ
今度、詳しく聞かせてくれよ』
「そういう事なら、私は構わないけど…」
「あ、ボクも構わないよ
…でも、意外だね
雨月はもっと…そのリアリストだと思ってた」
『…力を持ってる人間がそう言うのか?』
「自分でも、現実的じゃないって理解してるもん」
『現実的じゃない…ねぇ……
…と言う事は
俺はロマンチストなのか?』
「そうだね」
『…………』
(ここで、反論しても面倒になるだけだ
そういう事にしておこう……)
-同日-校門、部活後
(しかし…思った以上にハードだな…
演劇とかは体力使うと言うのは知っていたが予想以上だ)
「…居ました!」
『…ん?』
小学生ぐらいの女の子が近付いてくる
見覚えがある…
この子は…
「こんばんはです、お兄さん
……うづ君」
『ああ、こんばんは
…沙恵ちゃん、だったかな?』