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『来る事は無い昨日を想う』6-3
「あらあら、みんなこんなに元気なら
休憩の必要なかったかしら?」
「しまった!薮蛇か!?」
黒鐘らは俺と海月を置いて逃げるように散って行った
『…部長』
「そうね……青海君に必要なのは
自信かもね」
『自信?』
「演劇だけじゃない
普段でも、どこか…ね」
「少し…わかるよ
ボクにもね」
『え…?』
「雨月は…何処か…
堂々としているようで何をするにも不安げで
自信が無いように感じる」
『……俺が…かよ…?』
「藍ちゃんが言うなら確実ね」
『確実って…どうしてそうなる?』
「………
青海君」
『はい?』
「ウチの部活、なんだったか覚えてる?
演劇部じゃなくて」
『…オカルト研究会?』
「そ
…言って、信じるかどうかはわからないけど
藍ちゃんにはね
力があるの」
『力…だっ…て……?』
「そう
人の心を見透かす能力」
(!!!)
「…正確には違うんだけどね
正確には…人の精神の形を視認できるって言うか」
「…どちらにしろ
オカルト的な能力を藍ちゃんは持ってるの」
(…俺と…同じ…能力?!
何故……くっ…精神を揺らがすなッ!)