176/211
『来る事は無い昨日を想う』6-2
「やれやれ…先輩こそ
謙遜してるんじゃないか?
もっと、自信を持ったほうがいいと俺は思うぜ?」
『自信…ねぇ…』
彼は黒鐘 晃-クロガネ コウ-
千歌名と同じ一年の男子だ
「そうだよ、凄いよ
先輩は」
『……そう…か…』
彼女は橙坂 蓮-トウサカ レン-
同じく一年の女子
黒鐘とは旧知の仲…つまりは幼なじみだそうだ
「反応薄いですね?青海君」
『…反応に困るからな』
彼女は紫塚 雫季-シノヅカ シヅキ-
二年生
「じゃあ、僕らは、駄目出ししたほうがいいのかい?」
『そっちのが、いいのかもな
改善点て事で』
彼は褐式 朝記-カッシキ アサキ-
部長と同じ三年生だ
ちなみに橙坂と親戚らしい
「う〜ん…そうだな
やっぱり、発声がね」
『やっぱりそこか、褐式
自分では腹の底から搾り出してるつもりなんだが』
「仕方ないよ、先輩
これはどうしても、練習した期間と普段の調子に関係するから」
『まぁな』
「確かに、雨月は必要な事以外あんまり喋らないよね」
『うん?…そうだった…か…?』