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『来る事は無い昨日を想う』6-1
-10月11日-PM4:22
「うん、いい感じよ
一旦、休憩にしましょう」
真理天部長がそう言うと
緊迫した空気がほつれるように各自が即座に休息に移った
『…ふぅ…』
「とりあえず、一段落ついたみたいだね、雨月」
『ああ…そうだな
しかし…俺、足引っ張ってないか?』
「そんな事無いですよ
青海先輩」
『うん?
そうか?千歌名-チカナ-ちゃん』
この娘は黄道 千歌名-オウドウ チカナ-
俺達と同じくこの部活に所属している一年生だ
以前、海月を呼びに来たのはこの娘だ
あの時、カチューシャかリボンかと思ったのは
やはり、カチューシャだったようだ
「そうですよ
むしろ、私達のほうが足引っ張っらないか、怖くて…」
『謙遜し過ぎじゃないか?』
「でも、本当の事ですよ」
「そうだね、雨月の演技力には舌を巻くよ」
『…褒めたって何も出ないぞ?』
「もう…別にそんなつもりじゃないってば」
『…………ふむ』
俺は溜め息を吐くように相槌を打った




