『来る事は無い昨日を想う』5-2
その時だった
教室の戸が乱雑に開いた
「えっと…居た!」
『海月…?
お前部活に行ったんじゃ…』
-つかつかつかつか-
海月は早足で俺に近寄ってくる
「雨月!
お願い…ボク達を助けて欲しい」
『………は?』
「詳しい事は後で説明するから
部室まで、ちょっと来て!」
『お、おい…ちょっ…待っ……』
こうして、俺は半強制的に部室に引っ張られて行った
…………で
「ようこそ、青海 雨月君
"オカルト研究会"へ」
『…………へ?
オカルト…研究会?』
「あー…えーと…その…」
海月が凄く困った顔をしている
「説明しよぅッ!」
『うわっ!
赤み……礼乃、信!
ついて来てたのか!?』
何故だか、二人は不敵な笑みを浮かべていた
「この部室を使用している部活の名前は
オカルト研究会
…兼演劇部」
「その実体は読んで字の如し!
オカルト研究の傍ら
演劇…と言っても舞台から自主映画製作まで幅広く活動している
二つの部活を行える
一粒で二度美味しい部活なのだぁッ!」
『…なんか、凄いイキイキしてるな…
ところで、最後の言葉
なんか使いかた間違ってないか…?』
二人が急に俺の近くに寄ると囁いてきた
「ちなみにー目の前のこの人の名前は美鳥 真理天-ミドリ マリア-」
「この部活の部長で
学校一のNicebodyと名高く、
その長い碧髪と縁が下だけの眼鏡がチャーミングな三年生だ」