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『来る事は無い昨日を想う』5-1
-同日-放課後
俺は文庫本を机で読んでいた
一区切りしたところで帰ろうと思っていた
「雨月君雨月君」
『ん?』
見上げると金原と赤嶺だった
『なんだ?金原、赤嶺』
「雨月っちはさ
部活入んねぇの?」
『…その前に、赤嶺
雨月っちはやめろ』
「え〜…
じゃあ、名字で呼ばずに名前で読んでくれよ
オレも信もさ」
『……わかったよ、礼乃
で…部活だったか?
入る気は無い』
「そうなんだ
じゃあ、文化祭じゃあ
クラスの出し物手伝う事になるね」
『文化祭……まぁ…そうなるな』
「部活入ってたら、そっち手伝うって事で抜けられるのになぁー」
『そのために部活入る訳じゃ無いだろ』
「でも、僕や礼乃君トコとかは適当にやっちゃって
部員はほとんど皆遊んじゃうんだ」
『ふーん…
何やってるんだ?部活は』
「僕は写真部」
(…盗撮とかしてないよな?)
「オレは新聞部」
(…ゴシップ記事のイメージしかしないな)
「適当に過去に撮った写真や
書いた記事を部室に貼って終わりなのさ」
『そうか』
「雨月君も入るかい?」
『…考えとく』