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『来る事は無い昨日を想う』4-3
-ぐきゅるるる〜-
『…………』
「…あ…え…えっと…」
瑠月が顔を真っ赤にした
『…えっと…やっぱり…食べる?』
「…あの…その…なんて言うか…今日…お昼食べないで来たから…えっと…」
『…食べる?』
「………はい」
瑠月は赤面したまま顔を伏せた
俺が弁当を手渡そうとすると瑠月は道具類を片付けようとした
「…この時間から食べたら
今日は描けませんね、昼は…」
俺は一考して
『…ふむ、そうか
なら……』
弁当の中の卵焼きを箸で掴み
瑠月の口の前に持ってきた
『…こうすれば良いんじゃないか?』
「へ……え…えぇっ?!」
『ほら、あーん』
「あ…あーん…」
-パクッ…もぐもぐ…-
『こうしたら、描きながらでも、食べれるだろう?』
「う…あ…はい…」
瑠月は赤面したまま半分、硬直していた
『うん、じゃあ、次は…』
「…あれ?」
『ん?』
「この卵焼き美味しい…それに…甘い?」
『…そうか』
「誰が…作ったんです?」
『俺』