2話-5
-同日-PM10:32
…校門前
『…部長、アンタが遅れてどうすんだよ』
「たった2分じゃない」
『だからってなぁ…』
「色々忙しかったのよ
事務的な処理があるから」
『……そうかい』
「とりあえず…始めませんか?」
「そうね、千歌ちゃん」
『…ああ』
彼女は黄野千歌
天神見習いである
"前の世界"ではただの人間だったが
何故かこちらの世界に"前の世界"の多少の記憶と
天神としての資質を持って生まれた
俺の一つ年下で
黄色いショートヘアーにカチューシャをしている
"前の世界"ではただの人間だったし
天神としての力に目覚めたのも最近の為
見習いとして俺の任務(?)の補佐として居る
「じゃあ、藍坂君は『能力』を使って探して千歌ちゃんは藍坂君の周囲を警戒
私は部室で連絡を待つわ」
『いつも通り、か』
「わかりました」
…俺には『能力』があり
"前の世界"から
人の心理状態を視認できると言う力が
…"前の世界"で俺は
使用する際にいちいち発動させる必要があった
だが、今は
この蒼い目が常に発動している
…"前の世界"の俺より
"この世界"の俺は高い能力を持っているんだ
『とりあえず…範囲を広げるか…』
俺は能力の使用範囲を広げた
そして…
『…見つけた…行くぞ、千歌』
「はい!」




