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『来る事は無い昨日を想う』2-2
視線を声のほうに向けると
女子生徒がいた
髪はショートで金髪だった
カチューシャかリボンの類いをしているように見えた
「あ、呼ばれてるから行くね」
『ああ
…知り合いか?』
「部活の後輩」
『ふぅん…』
海月はその娘と一緒に何処かに行った
(…部活ねぇ……何やってんだろ…)
「青海君」
「青海雨月君だね」
『ん?』
いきなり、知らない男子生徒二人に話しかけられた
同じクラスだったが、転校初日目でまだ一限目も始まっていないので知る訳がなかった
一人は赤髪
一人は先の海月の後輩とは違った感じの金髪だった
『…そうだが…と言うより
さっき自己紹介したばかりだ』
「まぁ、そりゃあ、そうだね
…っと、僕は金原 信-カナハラ シン-だ」
「オレは赤嶺 礼乃-アカミネ レイノ-」
『ああ、そう
…何か用か?
それとも、自己紹介したかっただけ?』
「いや、少し気になってね」
『気になった?』
「初対面にしちゃあ
藍ちゃんと親しげに話してたから」
『藍ちゃん…ああ、海月の事か』




