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『来る事は無い昨日を想う』1-7
「あ…はい!」
『終わったよ
…でも、君みたいな子がこんな時間まで一人でいちゃ危ないよ』
「あ…はい…ごめんなさい……」
『…謝られても困るんだが…
まぁ…気をつけて帰れよ』
「は、はい…」
『じゃあな』
「…あ…あの!」
『ん?』
「わ、私…鈴廻守小学校二年の
紺野 沙恵-コンノ サエ-って言います!
お兄さんは…?」
『………俺は…
高等部二年の…青海 雨月だ』
「高等部二年?
…じゃあ…お姉ちゃんと同じ学年です!」
『…いや、まぁ、でも
お姉さんは多分知らないよ
俺、転校生だから…』
「…そうですか…
あっ!
ありがとうございます
雨月さん」
『別にさん付けなんていいよ
普通に呼んでくれていい』
「えっと…じゃあ
ありがとう、うづ君」
『うづ君?』
「はい、うづ君」
『……まぁ、いいか
礼には及ばないよ
じゃ』
「はい!」
そう言って俺は彼女と別れた
…その日は家で簡単に炒飯を作って食べて
すぐに寝た
第1話 漆黒の転校生