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来てしまった今日と共に  作者: 結城コウ
141/211

『来る事は無い昨日を想う』0-1

-9月30日-PM5:12、駅


ボクは彼を見つけた


彼と会うのは10年ぶりだったから


彼を見つけた瞬間、彼だとわからなかった


彼は駅のベンチに座っていた


彼はくせっ毛らしく


後ろ髪が無造作に跳ねていて


前髪が


瞳を隠すほど長かった


けど時より前髪の隙間から見える瞳は


どこか儚げで


哀しみさえ秘めているようだった


服装はと言うと


漆黒の…まるで神父のような感じで


まだ、9月だと言うのに


冬物を着ていた


彼はイヤフォンで何か音楽を聴いているらしく


後からそれがクラシックだと知った


そして、彼は少し厚めの小説を読みながら


迎えが来るのをまっているようだった


その雰囲気にボクは飲まれそうになった


彼の容姿は何処からみても男性的なのに


その雰囲気は大人の女性と無垢で清楚な少女を足したような


普通ならば持ち得ない


ボクが今まで出会った事の無い


あまりにも特殊なものを持っていた


ボクは一瞬、躊躇ったが


覚悟を決めて彼に話しかけた





『…ウヅキ君?』

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