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21話-4
『ぐぅうッ…』
まともに喰らった…
「…踏み込みが…浅かった……」
『…惟舞…』
「……かづ兄ぃ…言ったでしょう…邪魔すると
許さないって…」
『…それでも…
それでも…俺は……』
「…今度は…深く踏み込むよ…」
『……俺は…望んでなんかいない
…俺の居場所がある世界なんて…
…君が…無理してまで…創る世界なんて…』
「!!
…無理…してる…?
私が……」
『…俺の能力を侮ってもらっちゃ困る
…解るんだよ』
「…それでも…それでも私は…!!」
『神なんて…必要無い
…妄想の中だけで十分だ……』
「どんなに…否定されても
かづ兄ぃの居ない世界は…嫌だから!」
『…だから、君を縛りつけるものを断ち切る
…神の座から引きずり降ろしてでも!』
「…断ち切れッ!」
『!』
飛ぶ斬撃が鎌に直撃した
鎌が壊れる
(まだだ…壊れたなら…
作り直せ!)
『身勝手かも知れない…けど…
それはお互い様だ!』
刀身が黒い闇の剣が現れる
「…私はどうなっても構わない
かづ兄ぃの居る世界を…創り出す」
『…俺はどうなっても構わない
惟舞が苦しまないなら…それでいい』
『「それだけ」だ』