20話-5
「なに…!?
速っ…」
-ドグッ-
「がぁッ」
俺は意識の無いまま闘っていた
そう、闘争本能だけで
「く…」
シルヴァが雷撃を放つ
しかし、俺は避けもせずシルヴァに向けて
攻撃の手を緩めない
「なんなんだ…貴様は…」
『…う……』
俺は静観していた
俺の意識は取り戻しつつあった
(みんな……?
…俺は…………)
『シルヴァ……』
「由月…いや…河月ぃいいいッ!!」
『そんなに…そんなにこの世界が憎いかぁああああッ!!』
(沙夜…姉貴…マリア…千歌…エンド…リリィ…リィファ…レイブン…礼也…信太…
…そして…瑠名…力を…貸してくれ!!)
『俺の持つこの能力は…
繋ぎ止める力と断ち切る力…
人の心も…世界も!!』
「河…月…?」
『シルヴァ…藍坂陽炎ッ!!
そんなにこの世界が憎いなら…』
俺の掌には黒いオーラの…『何か』が精製され
シルヴァに向けて放たれた
そしてそれは、シルヴァを貫いた
…シルヴァと…世界を繋ぎ止めた
『…この世界と共に…消え失せろッ!!』
そして、吸血鬼に杭を打ち込むように
俺は鎌でその闇ごとシルヴァを貫いた
世界に亀裂が走る
「……河月……」
『……哀れな男さ
俺もお前も…』
光と共に起こった衝撃により
シルヴァは時空の間へと消え去った
第20話 真実と妄言