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20話-2
『神…?
神だって……フ
ははははッ!!
やっぱりだ
お前は何一つわかっていない
…だから、そんな妄言を吐く』
「妄言だと…?」
『全くだ…そんな奴に世界をこんな状態にされたと思うと全く…余計に哀しいな…』
「どういう…意味だ…?」
『…例え、創成者の力を手に入れたところで以前と同じ世界など造れないさ』
「!?」
『…そう、槻白惟舞が良い例だ
彼女が望んだ物はなんだ?
この世界を造る事だったか?
厳密には違う
俺を…俺と言う存在を世界に残す為だ
だったなら…神ならば…
万能の超人ならば
わざわざ、世界を今の世界にする必要などなかった…
なら、何故そうなった?
不可効力だ
彼女の意志では無い
破壊と創成…その力があろうとも
細部まで手を加える事が出来なかった
その結果、彼女は創成者でありながら
惟と舞に分裂した…
今、わかった
その理由は…世界に創成者がいると世界に歪みが出来てしまう
その歪みを解消するためだった
彼女さえそうだったんだ
ましてや、以前の世界に戻す?
そんな事など出来るはずがない
…失った物は帰っては来ないのだから』