18話-2
-10月20日-PM10:58(時の加速による実際の日付、時刻)
闇の中を少年は駆けていた
闇と同じ色をした服、
ニット帽、
手袋…
そして、蒼い髪を揺らしながら…
…
少年はドアに手をかけた
髪と同じ色をした右目が決意の眼差しを醸し出す
『…TIMELIMITまで一時間と言ったところか…
…あの日から半年…
決着をつけなければならないな…
…色んな事から…』
(……そう、後一時間
一時間で…世界が崩壊する
反逆の使徒決起から半年…
こんな事になるなんて…
俺の力が…足りないばかりに)
-そんな事無い-
『ッ!?』
誰かの声が聞こえた気がした
その時だった
自分の胸に何かの鎖のような物が見えたのが
『これは…?!』
その鎖はやがて枝別れして魂の破片のような物を複数繋ぎとめていた
(…瑠名…沙夜…姉貴…マリアに千歌…エンドにリィファ…それにリリィにレイブン…?
…信太や礼也まで……みんな…
…想いは共にあると言う事か…)
『フッ……力を…いや
想いを貸してくれ
みんな…そして、奴を…シルヴァを討つ!』
彼の瞳が…『両目』が蒼く光る
(……そして、イヴ
今…逢いにいくぞ…!)
そう言うと少年はドアを開けた
…闇夜に有る月だけが少年を見守っていた…