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17話-2
(……?
上手く行き過ぎな気が…)
「…何処を見ている?」
マリアの横にシルヴァは立っていた
『!!』
「―あ」
雷撃が走った
『ぐ…』
「…ううっ…」
『しまっ……た…幻影……』
「……藍坂先輩と同じ…」
(…そう…由月君と同じ…あの『能力』……
まんまとしてやられた…幻影を…攻撃してたなんて……)
『…く……』
「…本来の力を取り戻したと言っても…
所詮はその程度か、マリア」
『…余裕のつもりかしら?
羽根も出さないで』
「…フ
強がりを
現にせずとも傷一つついてはいない」
「…調子に…のるな!」
千歌は再びダーツを精製し
シルヴァに向けて投げた
「…フン」
シルヴァは一瞬、鼻で笑ったかのようにすると
そこから一歩も動かなかった
千歌の投げたダーツは力なく減速していき
一本
また一本と床に落ちた
そして、最後の一本がかろうじてシルヴァの手前にくると
シルヴァは二本指でダーツをつかまえた
…ダーツは起爆しなかった
「!!?」
シルヴァの朱い瞳は妖しく光っていた