16話-5
「ッ!」
『うぉおおおッ!』
-ドガッ-
「くっ…」
リリィは後退した
そして、先の…一歩も動かなかった場所に立った
…その場所にはあの弓が置かれていた
『リリィ…ッ!?』
「…私の勝ちだよ
エンド!」
『何…?』
「私がこの場所を動かなかったのは
この技を使う為のチャージとして…このエリアに私の弓がある必要があったから!」
リリィの足元が光る
「エンド…味わせてあげる
私の最強の…必殺技って言うのを!」
エンドは冷静にナイフを拾った
全身が血まみれでありながら
エンドの静かなる闘志はその瞳に宿っていた
『…リリィ
…そういえば、俺も一つだけ
お前にも教えいない事があった』
「なに…かな…?」
『…あの時……これを使う余裕があればな…
いや、それ以前から反逆の使徒だったのだから
同じ事か…』
「何を勿体つけているの…?」
『……俺かお前が本当にピンチの時
俺はコレを使おうと思った
でも、まさか
お前に使う事になるとはな…』
「…エンド?」
『一時的なパワーアップさ
俺の命を削ってのな…』
「ッ!」
『こんな状態で使えば
死ぬだろうな、俺は』
そう言うとエンドの魂は視認可能なほど膨れあがった
エンドの瞳孔が開いている
そして、
エンドは拾いあげたナイフと新たにナイフを精製し
合成した
漆黒の刃をもった刀のようだった
『…少し雰囲気を出そうか…
…賭け金は俺の命
最後の勝負といこう
…ラストショーダウンだ』