16話-4
「………」
『……リリィ…?』
「……前の世界のほうが…幸せだった」
『………』
「……お母さんもお父さんも居て…
……ただ、世界を管理する…
戦う必要なんて…滅多になかった…」
『…反逆の使徒が居るから
戦う必要があったんじゃないのか…?』
「この世界が無ければそんな必要もなかった!」
『!?
なんだ…それ…矛盾してないか…?』
「……私は…前の世界が好きだった…それは変わらない」
『…………俺は前の世界が嫌いだった
親父はお袋を殴る事と
酒に溺れる事しかしなかった
お袋はお袋で
俺を親父の暴力の盾にする事しかしないで
親父が死んだら
用済みだと捨てたも同然の扱いだった』
「……エンド…?」
『…その時、俺は小学生に入ったばかり…
天神の力に目覚めなきゃどうなっていたか…』
「っ……」
『……この世界は違った
……お前に…逢えた』
「!!」
『…俺がこの世界の為に戦う理由はそれだけだ
…リリィ……お前は違うのか…?』
「……確かに…エンドに逢えたのは……
……でも、私は…
反逆の使徒だから!」
『…なら、お前がどんなに否定しても
…どんなに嫌っても
俺はこの世界のために戦う!
お前を…倒してでも!』
エンドはリリィに飛び掛かった