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異世界営生物語~サラリーマンおじさんは冒険者おじさんになりました~  作者: 田島久護
第七章 この星の未来を探して

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稽古の終わりも近くなり

レイメイたちの新しい戦い方に度肝を抜かれ、皆唖然としてその場を見つめるしかなかった。彼女たちはこちらの反応を見て喜びの舞を始める。二人とは初期に対戦した後はアの国で会うまで対戦したことが無かったので、強いか弱いかで言えば強いのだろうが確信は無かった。


不動明王様の加護を得ているので弱くはないのだろうとは思ったが、まさかここまで強いとは思わず驚いている。これならラの国での戦いでは一番戦果を挙げるに違いない。不動明王様に感謝しながらレイメイたちを褒めたたえ、食事を再開するべくお店に戻った。


「最初はジロウをどうしていいか分からなくてさ、そんな時に依頼で崖の上の方にある花の種の採取を頼まれて」

「ワシを投げて取ろうとした時に鳥が現れてな。とっさの判断でレイメイが魔法を打つも避けられワシに当たった。種に当たっては不味いから鳥へ行けと念じたところ、その通りに飛んで当り撃退したんじゃ」


 鳥を撃退する体験を経てその技をものにするべく稽古を積み重ね、次は強敵に挑みさらなる経験を得ようとした二人は、山で暴れる巨大イノシシと戦うことになったと語る。一進一退の攻防を繰り返す中で、二人の頭の中に声が聞こえたという。


声に従い攻撃してみた結果、先ほどの技を会得しその後も確実にものにするまで粘り、今日やっといけると判断して戻って来たそうだ。ジロウを独鈷に変えてそのままにすることなく、見守り御力を与えて下さったことに対して感謝してもしきれない。


 恐らく不動明王様から見ても、今の戦力では最終決戦で勝てるかどうかわからない、そう考えての御力添えだろう。一度目だって勝てたというよりは運良く退けただけで、それが出来たのもクニウスたちの尽力あってのことだ。


今回の戦いでは自分がクニウスの立場になり皆を引っ張ってきた。最後の最後は皆を連れて行けないが、後に託せるように全力で支度をしている。それにしてもまさか異世界に転生し、神様と二度も戦わされる羽目になるなどとは想像もしていなかった。


クロウにもチート能力を修正してもらい、最終形態と思われるものも会得している。クニウスたちはもういないけどその分戦える力を貰った。この世界に普通に生きる人々のためにも、最終決戦には何がなんでも勝たなければならない。


大地の守護者としての役目を果たせるよう願いながら、ゆっくりと食事を味わう。賑やかで楽しい食事の時間は襲撃の知らせで慌ただしく終わり、戦いながらレイメイを加えたシフトを練り直す。


「先生! お願いします!」


 レイメイたちが合流して半月経つ頃には、討伐も避難誘導もだいぶスムーズになる。稽古もしっかり行っていたが伸びが緩やかになったように見え、ここは一つインプットだけでなくアウトプットもしようと、ヨシズミ国の女性兵士や一般国民で稽古を希望する人を募ってみた。


そんなに来ないだろうと呑気に構えていたものの、初日から人が多く訪れ逆にこちらが混乱してしまう。連日自分の国が襲われ且つそれを女性たちが撃退している、その姿に心を打たれ少しでもと思って希望した、そう参加希望者の人たちは口にする。


なるほどとは思ったが稽古を付けて欲しいと希望する者は、なぜかこちらに殺到していた。イーシャさんやイサミさんじゃないのかと問うも、先生が鍛えたんですよねと希望者たちに言われ、違うと答えたが稽古の指揮を執っていたのを見ていたと言われる。


ここは一番弟子であり人望もあるノーブルでと思い、周囲を見るとなんと彼女たちの後ろにいた。手招きして彼女たちに手解きをと指示したところ、あからさまに不服そうな顔をする。教えることで学ぶことも多いよと提案したが、今は先生から直接学ぶ時期ですと即拒否された。


「えー皆さん落ち着いてください。物には順序が御座いましてー」


 朝の朝礼を行う校長先生や所長の気分になる。なんとか皆さんに説明し納得してもらい魔法使いのエレミアを除く、各人十名ずつ教え子を持ってもらうことにした。あらかじめ半月程度だとも伝え、自分も見て回るからというと安心したのか元気に返事をし、担当者の元へ集まり始める。


ちなみに稽古のプランを皆にはこちらから提示していないので、指導役が一から設定する必要があった。イサミさんなどは自分も指導してもらったこともあり、とてもスムーズな立ち上がりを見せる。


ハユルさんは先ず相手が出来ることはなんだろうと考えた結果か、棒を教え子に取らせ打ち込ませて力の具合を見ていた。二人が始めると他も自分なりに自分が受けた指導をし始める。


ノーブルはというと、最後まで自分に稽古を付けろと言わんばかりに立っていたが、教え子に引き摺られて離れた位置に移動し稽古を始めた。


「私は暇になったわね」


 指導を見守るこちらの横に来てそう言うエレミアに対し、具合はどうかと尋ねるともうすっかり良いという。改めて彼女に対し、イーシャさんとのコンビはどうかと聞くと微妙な顔をする。相性は良くないのかと問うも、例えるなら暴れ牛のようだと答えた。


今回の稽古でアウトプットを行いさらなる成長をするだけでなく、俯瞰して見るということも出来れば良いねと伝えると、そう考えると良い考えかもねという。暇なら久し振りに稽古するかと聞くと是非と言われる。


読んで下さり有難うございます。感想や評価を頂けると嬉しいのですが、

悪い点のみや良い点1に対して悪い点9のような批評や批判は遠慮します。

また誤字脱字報告に関しましては誤字報告にお願い致します。

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