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異世界営生物語~サラリーマンおじさんは冒険者おじさんになりました~  作者: 田島久護
第七章 この星の未来を探して

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襲撃戦、始まる

「わははは! アタイがトリだ! 思い切りやろう!」


 朝から稽古を行うもシスターはずっと見ているだけだった。皆が疲れてきたのを見て待ってましたとばかりに稽古を申し出る。


昨日の今日なので警戒し最初から気を高めて構えたものの、彼女も同じくらいの気を発し構えた。昨日受けた一撃の時よりも抑えめだったので、先ずは小手調べという意味に受け取りあえてこちらから仕掛ける。


攻撃を避け逸らすだけに徹している動きに驚いた。イサミさんは化勁においてノガミ随一だと思っていたが、シスターはそれを上回り的確に流れを変え且つ気で捕えようとしてくる。


こちらは次の攻撃に移る間に警戒してしまい、攻撃のリズムがあっさり崩れた。竜人族のDNAも受け継いでいるので長寿だと聞いていたけど、これまでの長い間積み重ねた成果なのだろうと経験の差を感じる。


「よしよし! 今日はこのくらいにしておこう!」


 とても満足そうな笑みを浮かべて頷き、シスターは皆のところへ下がった。最後の最後で彼女とはかなりハードだなと思いながら一礼し、この日の稽古は終了する。


終わると同時にこの日も稽古を見守っていたノーブルとエレミアは、皆に気になる点などアドバイスをしていた。特にノーブルは稽古が出来ない悔しさからか熱心にアドバイスをし、コーチとしての才能の片鱗が見えて驚く。


アドバイスを受ける方は若干五月蠅そうな顔をしているので、その辺りの気配りが出来れば形になるのではないかと思う。ノーブルはアドバイスも終わって帰り際、怪我が回復するまでは城の客室で休んでいるが、もうそろそろ合流したいとこちらに申し出る。


強制ではないからと良いよと言いかけるも、テオドールの宣言通りなら襲撃が始まるし、そうなると一目散に駆けだしそうなので却下した。


迎えに来たタクノに対して厳しく監視しておくようにと告げる。納得しないていないという顔をしているノーブルに対し、今は無理する必要がない時期なのでしっかり休んでもらい、後の厳しい戦いに備えて欲しいと言い含めた。


本当の闘いはこの先にあることを彼も承知しているので、渋々ではあるが納得してくれる。ノーブルたちを見送った後は、避難所の配給を受けその日は就寝となった。


「大変です!」


 翌朝、避難所に兵士が飛び込んで来て目が覚める。どうやらテオドールの宣言通り襲撃してきたらしい。急いで皆を起こし準備をさせて町へ移動した。


到着するとゴブリンなどのモンスターが町を荒らしており、せっかく復興し始めたところなのにと皆溜息を吐く。被害を最小限に抑えるべく皆に指示を出し、モンスターたちの討伐を開始する。


せっかくの実戦の機会が到来したので自分は手を出さず、命に危険が及ぶまでは見守り国民の救助や兵士のフォローに回った。


「ジン!」


 陛下と町長が部下を引き連れ、前線が固まる前に来てしまった。メンバーは交流はあるものの戦場では初めての者もおり、形を模索しながら戦っている。


今の段階で皆に任せたは無理があるので、陛下たちには急いで下がるよう声を上げた。敵の隙を見て話そうと考えるも、抜けて来た敵も捌きながら国民を救助したりと、とてもじゃないが難しい。


見兼ねたシスターがこちらまで下がり役割の交代を申し出てくれ、感謝しながら急いで交代し陛下や町長と連絡を取るべく下がる。


陛下たちには前線はこちらが受け持つので、一個中隊に距離を取りながら抜けた敵のフォローを頼むと、二人は了承してくれすぐに指示を出してくれた。前線は次第に落ち着き押し返しながら相手の数を減らしていく。


数も強さも皆の実戦に丁度良い相手であり、しばらくして怪我も無く撃退に成功する。今回の件を受けて陛下たちから、町の中に寝泊まりする場所を設けるので、襲撃に備えそこで休んでほしいと要請を受けた。


こちらとしても実戦経験を積ませたいので二つ返事で応じる。寝泊まりできる場所はどこにするかと話しているところにシスターが来て、教会を使おうと提案して来た。


今治療に関してはシャイネンから来た魔法学校が、門の外で大きなテントを建てて行っており、礼拝もそこでしているという。


シスターがそういうなら有難く利用させてもらおうと話は纏まって、荷物を移すべく避難所へ移動する。到着し荷物を掻き集めたが皆大した量は無く直ぐに完了した。


 自分の物を整理している時、不死鳥騎士団の盾を手に持ち懐かしい気持ちになる。盾と出会ったのはまだ冒険者として駆け出しの頃であり、いずれこの星の命運を左右するような戦いに参加するなんて、あの頃の自分に話しても信じないだろう。


最近はこの盾を使用する機会も少なくなったものの、シンラとの戦いにはルキナたちを連れて行けないので、代わりにこの盾に見守ってもらおうと考える。


最後の敵はどんな技を使ってくるか分からない。周辺国の名前を合わせたものは和風のものだったが、魔法を使用してくる可能性もあるだろう。


不死鳥騎士団の盾はその時役に立ってくれるはずだし、シンラの攻撃も魔法であれば有効になるはずだ。篭手と共に最後まで頼むぞと心の中で声を掛けながらさすり、皆に声を掛けられて手を止めると盾を背負って皆のところへ行く。


読んで下さり有難うございます。感想や評価を頂けると嬉しいのですが、

悪い点のみや良い点1に対して悪い点9のような批評や批判は遠慮します。

また誤字脱字報告に関しましては誤字報告にお願い致します。

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