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異世界営生物語~サラリーマンおじさんは冒険者おじさんになりました~  作者: 田島久護
第六章 負けない力を探して

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リベンから出立

華様によって申し渡された決まりを破ったとして与した者を捕え、当主の場合は代替わりをさせそうでないものは流刑地に送る。


徹底した行動によりノガミ一族の三分の一が処分され激震が走ったが、ノガミでさえも処罰されると知り、驚きと共に多くは好意的に受けとられた。ミサキさんに関してはサラティ様の復帰を待って、彼女自身に決めさせるとナビール氏は御触れを出す。


サラティ様の復帰に際してリオウにも同じく復帰するよう命じ、本人も了承の元復帰する。久し振りに城で見かけた二人は、憑物が落ちたようなさっぱりした顔をしていた。


「ジン、御苦労であったな」


 ナビール氏もサラティ様の復帰により代行の任を下り領土に戻るという。彼の領土はデラウンという町で、鉱山を有した製造が盛んな町らしい。帰り際に城の中をわざわざ探して声を掛けてくれたので、助手として採用して頂いた感謝を述べ頭を下げる。


しばらくここに留まるのか聞かれたが、ナビール氏たちにより治安も安定しエリート宿も事業をし易くなったのを見たので、不可侵領域に向けて出発しようと思っていると答えた。すると彼から一緒に同伴してはどうかと提案される。


特に予定もないが身支度がまだ済んでいないので、近いうちに寄らせてもらいますと話し感謝した。必ず着き次第訪ねてくるよう念を押して去っていく。仕事の助手をしたが特段素晴らしい活躍をした訳でもないのにな、と念押しを不思議に思いながら城を出る。


 エリート宿に戻りサラさんやおじさんに声を掛け、長い間お世話になったお礼を述べ出立を伝えた。二人からはリベンの為に奮闘してくれてありがとうと感謝され、出来ればお別れの宴を開きたいと言われたが、また帰りに寄るのでその時に御馳走して下さいと答える。


クロウに必ず勝利するとは言えないが、お別れの宴とかに参加すると本当の別れになってしまいそうで、なんとなく縁起が悪く感じたから断った。エレミアは城で助手をしている間もパルヴァにしごかれ続け、ここに来た時よりもだいぶ逞しくなったがボロボロに見える。


今日で修業が終わりとパルヴァに宿の入口で言われ、涙ぐみながら両親に感謝を述べつつひざまずいた。クニウスたちもこのままこちらに同行し不可侵領域へ向けて出発するという。いよいよアリーザさんを取り戻す戦いが始まると思うと気が引き締まる。


馬車は借りても返せないので歩いての移動にし、早速食料を強いれてリュックにそれぞれ担いでリベンの町を出る。色々あって思い出深い町だったがまた皆で、いつかはアリーザさんと共に来たいと願いながら、荷物検査を受けて外へ出た。


「お客さんだわ」


 パルヴァに言われ指さした方向を見ると、ひとりの男が立っているのが見える。いつものような鎧を身に付けず、シャツにスラックスというラフな格好をして腕を組んでいた。個人的にもう用はないので一瞥しそのままカーマへ向けて歩く。


パルヴァに男同士の熱い友情による別れ? とか聞かれたが、そんなものは一切ないと答える。アリーザさんがいなければ、サラティ様とのことがなければ間違いなく斬り捨てていた。こっちからすれば自分の大切な人を取り戻すために全力を注ぎたいし、サラティ様を悲しませたくはない。


草原を過ぎ森に入った時、例のジュリア・ノガミを思い出しクニウスにたずねる。パルヴァと共に顔を見合い、そういえばどうしたっけと言い出した。あんなの放置してたらまた問題が起こると言うも、二人揃ってそれはないと言う。


なんの根拠があるのかと問うと、彼女はミサキを見捨て新しい夢に生きると宣言したらしい。ナビール氏は知っているのかと聞いたが了承していると言われ唖然とする。首謀者一味であり実行者なのに見逃されたのかと呟いたが、クニウスが言うには誰も実行したところを見てないし、彼女が出した被害が分からないので問えないということのようだ。


当然裏があるよな? と二人に視線を向けて聞いたがにこりと微笑むだけだった。リベンでも騒ぎになったが、他の領地でも蜂起したらしく実害が出ているところがある、とエレミアが教えてくれる。要するにもっと具体的に被害を出した者たちがいて、ジュリアは改心も? しているようなので見逃されたということかと思った。


彼女の祖母にあたる人物が、魔法の基礎を改めて構築し直した一人であり、その功績もあってサラティ様直々に許されたとクニウスは言う。祖父母どころか親もいない自分からしたら、そんなものであれを無かったことにされるのかと考えると苦々しく思うほか無い。


世の不条理を感じながらカーマへの道を歩く。後ろから馬車が近付いて来たので道を譲ろうと移動し立ち止まる。馬車は急ブレーキをかけこちらの前で止まった。扉が開いて出て来たのはイザナさんだったので驚く。


リベンはいいのかと聞くと、俺様にとってはもう用が無い場所だと笑みを浮かべ、途中まで乗って行けと言われたので有難く乗せてもらうことにする。


「お、お前なんでここに!?」


 中に入るとイサミさんの横に今さっき話題になったジュリアが座っていて、にこやかにこちらに手を振っているではないか。



読んで下さり有難うございます。感想や評価を頂けると嬉しいのですが、

悪い点のみや良い点1に対して悪い点9のような批評や批判は遠慮します。

また誤字脱字報告に関しましては誤字報告にお願い致します。

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