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異世界営生物語~サラリーマンおじさんは冒険者おじさんになりました~  作者: 田島久護
第六章 負けない力を探して

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リオウ対闇サキ

二対一で戦うかどちらが行くかもついでに相談したが、お前が行けと言われて即拒否した。こっちからすればそっちの問題なんだから、あれはそっちが処理するのが道理だというも、リオウも即拒否してくる。


同族だろうにと言うも、あんな頓珍漢な生き物と同列にするなと抗議してきた。少し吹き出してしまうも、サラティ様に良い顔しつつ乱を起こそうと準備したお前は同列だ、と指摘する。こちらの言葉にうんざりした顔をし、面倒だからお前を先に倒すと言い出した。


あまりの発言に空笑いし、こっちは最初からお前を倒すつもりで帰って来たのだから望むところだと答える。お前に殺されかけたからこそ死ぬ気で鍛えてきた、お陰でミサキさんの野望を阻止できたが借りは返す、と言って三鈷剣(さんこけん)の切っ先をリオウに向け構えた。


リオウもこちらを向きつ構えたものの、闇サキさんが突然彼に襲い掛かる。どの部分が彼の逆鱗に触れたのか分からないが、こちらを放置してリオウを叩き潰さんと猛攻を開始した。リオウに加担する必要はまったくないので黙って二人が戦うのを見ていると、リオウはこちらに擦り付けようと向かってくる。


道のど真ん中にいると見えにくいと考え、地面を蹴って飛び上がり屋根の上へあがった。空中ではバランスが崩れてやられる可能性が高いので、こちらを追わずリオウと闇サキさんは地面を走り回っている。リオウはこちらを睨みながら闇サキさんの攻撃を避けながら移動していた。


睨むリオウに対し、屋根に腰を下ろしつつ笑顔で手を振る。追いかけっこする二人を見て思ったが、リオウを優先したのもここに至るまでに、仲間の裏切りを疑いたくなることがあったからだ。仕掛けておいてなんだが、ミサキさんは運が悪いと思った。


自分たちしか知らないであろう創造神と敵が知己であったり、敵が異世界人であったりと自分が相手側ならそんなバカなと思うし、さらに言えば計画の失敗を悟るだろう。クロウの言い方からしてサラティ様は生きている。


生きているとしたら内通していたリオウはなぜ生かしておいたのか、お前も裏切者かと思い更なる絶望が襲うはずだ。リオウはリオウで言いたいことがあるだろうが、もうそういう思考に陥ってしまえば誰の言葉も届かない。


 倒すことがせめてもの慰めだとリオウも気付けばいいのにな、と思いながら追いかけっこを続ける二人を眺め続けた。天気も良いことからうとうとしていた時、突然肩にいるシシリーが叫び出す。どうしたのかとたずねると学校に来てからの記憶が無いという。


恐らくだが、犬ではなく人に憑依したクロウの影響力のせいだろうなと思った。なにしろシシリーはこの世界の人物なので、創造神を認識出来ないはずだ。リオウたちが認識できるのは、ヤスヒサ王の血が入っているからだと思われる。


彼女にはミサキさんを追い詰めたが変身されてしまい、リオウと戦闘を開始したと状況を簡単に説明した。頷いたシシリーは大詰めだから気合を入れ直すわ、と言って肩から立ち上がり仁王立ちする。今は観戦するしかないのになと思いながらも視線を二人に戻すと、リオウが足を止めて両手を広げていた。


ついに逃げるのを止めるのかと思った瞬間、彼の体が黄金色の輝きを放ち始める。見るのもつらくなり手で目を覆う。やがて手で覆っていても光っているのがわかっていたものが消え、リオウがいたところを見ると変な者が立っていた。


黄金色のライオンを模したような兜に鎧を着ており、気を探ればリオウのものもあったがうっすら程度で完全に別人になっている。闇サキさんはその姿に驚き足を止め間合いを取った。ミサキさんの時と同じような気なので、恐らくあればリオウの外殻装着バージョンなのだろう。


たしかにミサキさんと比べると数段すべてのステータスが上だと感じる。通常状態でも強いのに、まだこんな大きな隠し玉を持っていたとは、と驚かずにはいられない。ミサキさんと先に戦闘して倒せたとしても、リオウと戦う時にこれを見せられたら堪らないなと思った。


 当のリオウはこちらをまた睨んだが、直ぐにミサキさんに向き直り先にこちらを倒すよう告げる。彼らしいと言えばらしいが、元々上下関係で言えばミサキさんの方が上なのを忘れているなと思った。


当然のように貴様誰に物を言っていると始まり、どうせ二人とも倒すのだからお前から片付けてやる、と闇サキさんは切っ先を彼に向ける。俺たちが争えば奴の利になるのがなぜわからないというリオウに対し、もはやそんなものは消え失せたと叫んで拒否し闇サキさんは襲い掛かった。


リオウは舌打ちしてから得物を篭手からだし応戦する。顔は兜で見えないが、苦々しい顔をしているに違いない。ふとこの間にサラティ様を探せないかと考えシシリーに聞いてみた。リオウ対闇サキ戦を興奮しながら見ていたシシリーははっとなり、目を閉じる。少ししてからここにはサラティ様の気配は感じないという。


どこか遠くへ行ったのだろうかと問いかけるも、それは違うと否定された。どういうことなのかと聞くと、魔法が関係している可能性があると答える。



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