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俺の恋敵が人間じゃないなんて聞いてないんだが  作者: 水無月やぎ
第3章 てんこ盛りの11月
69/80

#69 式神特製オムライス

・・・・・・・・・

「ただいまぁ~」

『ただいまぁ~』

「おかえり」


 しばらくして、父と悠馬が仲良く帰ってきた。時間的にも、本当にただの散歩だったようだが……。

 ったく、2人で何話してたんだか。

 秘密の同盟でも組んでたんかな? それとも俺の悪口大会だったらどうしよう。

 そう考えた途端、悠馬と父のニヤニヤ顔が目に浮かぶ。それはまるで、悪巧みをしている中学生のような……。

 いやいや。そういうネガティブなことは考えずにおいておこう。悠馬はきっと良い子なはずだ。俺の悪口なんて絶対に言わないと……。

 いや待て。あいつ呼吸するように俺の悪口言うよな。しかも目の前で。何回も。

 あぁ、本当に悪口だったらどうしよう……。


 俺にはまだ父ほどの能力はないから、離れた場所での会話を視ることはできない。だから、この貧弱な脳みそで推測するしかないのだ。

 というか、父の能力自体がヤバいくらいハイテクじゃね? と思っている。意図した時に遠隔地の様子見れるとか。しかも電気機器1つも持たずに可能とか。CIAとかで普通に雇ってくれそう。そうしたら、この家のローン一発で返せる気がするんだけどな。


 気づけばもう夕飯の時間になっていて、悠馬が手早くオムライスを作ってくれた。ケチャップがニコニコマークになっていて、こういうとこ可愛いよなって素直に思う。

 いや待て。このニコニコマークは純粋に悠馬の可愛さなのか、それとも俺の悪口を言ってたことへの罪滅ぼしのつもりか……。

 後者で捉えてもオムライスがまずくなるだけだ。とりあえず明るく、いただきまーす、と言って俺が席につくと、父がこちらを見た。


「京汰、お前料理しないのか」

「えっ……」


 すると、悠馬が余計なことをたくさん喋る。


『京汰曰く、僕はお世話係だから、僕が家事全般をやらないといけないらしいです』

「京汰……」


 父の目が途端に細くなる。ひぃっ。


「式神は執事じゃないぞっ」

『ぞっ!』

「……申し訳ございませんっ!!」


 ったくもう、日常生活はあんま視ないようにしてたけど、このザマとは……はぁ……。と父は盛大な溜め息をついた。そして「悠馬、本当大変だな。ありがとな」と全力で労う。悠馬は「本当に大変ですが、頑張ります」とバカ真面目に返答。

 口の中で卵がへばりつくように感じるのはきっと絶対、気のせいではない。

 重くなりかけた空気を読んだのか、悠馬が明るい調子で話した。


『……まっ、僕は家事楽しんでるので、ご心配なく!』


 わーお助かるぅ。お前やっぱいい奴だよなぁ。何だかんだでいい奴だよね、そういうとこにキュンです。


「父上、悠馬がこう言ってくれてます」

「お前って奴はもう……」


 3人で声を出して笑う。口の中でへばりついていた卵は、急に滑らかになった。

 家族が1人帰ってくるだけで、こんなにも賑やかになるんだな。

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