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俺の恋敵が人間じゃないなんて聞いてないんだが  作者: 水無月やぎ
第3章 てんこ盛りの11月
64/80

#64 詐欺にはご注意を

・・・・・・・・・

 無事に妖退治を終えた僕たちは、ごくごく平和に帰宅した。今日みたいな日は、平和って大事だなとつくづく思わされる。戦いは何も楽しくない。


「はぁぁぁっ、緊張したぁぁあ焦ったぁぁぁあ」


 玄関に入るなり、京汰は盛大に息を吐く。

 うーん。確かにこの人頑張ったのは認めるけど、それ以上に説教しなきゃいけない点が多いんだよねぇ。まずはどこから説教しましょうか。


『京汰。手を洗ったらリビングに来なさい』

「な、何だよ親みたいな言い方して!」


 ブツブツ言いながらも、素直に従う京汰くんは、やっぱり良い人間ではある。

 ソファに腰掛けるように手で示して、僕は言った。


『京汰くん。本日はお疲れさまでした』

「お、おう、お疲れ」

『しかしですね、ちょっと注意しなきゃいけないことがあります』

「はぁ」


 なんなんだ、その魂の抜けた返事は。

 僕は京汰の脳みそ全てに届くように、夕刻に屋内で出せる精一杯の声量を彼にぶつけた。


『なぜ皆川先輩を妖と見抜けなかったわけええええええ?!』


 京汰は「うわああああああっ!」と、思わずソファから腰を浮かした。


「え、そ、それは……! ってか悠馬はいつから分かってたの?!」

『昨日体育館で見た時からだよ。あまりに人間離れしてるんだもん、おかしいなぁって思わない?』


 京汰はふるふると首を左右に振る。


「思わないよ……あんなイケメンもいるんだな、としか……」


 素直というのは、時に致命傷になるということをよく胸に刻んでおけ、京汰よ。

 彼は将来、絶対に3回くらいは詐欺に遭う。僕が断言してあげよう。結婚詐欺に2回、老後の振り込め詐欺に1回遭うはずだ。


『バカっ! 人間離れしてるな、と思ったら、ほんとに人間なのか疑いなさい! それに華音様に僕が視えてたことにも気づかないなんて……クラスのカフェで装飾が取れた時に分かんなかった?! 普通天井付近の装飾が取れたなら天井見るじゃん、なのにその下にいる僕の方に目線向けてたよね?!』


 詳しくは第43話を参照されたい。


「一瞬それ思ったけど、きっと違うって……」


 京汰の声は、いつになく弱々しい。僕に突っかかってくる時の覇気はどこに行ったんじゃ。


『一瞬でも思ったなら、まずは勘に従えええええええっっ!!! 君の直感は普通の人間とは違うから! だから従って間違いはないから! そういう小さな気付きが世界を救うのね?! そしてそういう小さな見逃しとか綻びが世界を破滅させるのね?!』


 もう止まらん。こんな鈍すぎるおバカを放っておくことはならん。

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