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俺の恋敵が人間じゃないなんて聞いてないんだが  作者: 水無月やぎ
第3章 てんこ盛りの11月
40/80

#40 女神降臨

<いい加減座りなってもう!>


 我を忘れて叫んでいた俺は、一般人には視えない式神に制服の裾を掴まれて座らされた。すんません。

 でも歓喜爆発していたのは俺だけではなかったようだ。華音様のシュートが決まった瞬間、何を思ったのか、観客席の一番後ろで控えていた輩が一斉に立ち上がった。そして……


「篠塚華音がシュート入れました! 勝利の女神が我が学園の女神に微笑んでいる! 女神が降臨しました! もう勝利は間違いない! 俺達は女神・華音様が大好きでーーーーーーーーす!!! せーの!」

「I・L・O・V・E・K・A・N・O・N」

「もういっちょ!」


 え、まさかの応援団?! こんなに華のない応援団あり?!

 てか勝利の女神の登場早すぎだろ。まだ試合開始7分なんだが。なんか俺より普通にヤバい奴いるじゃん……。

 周囲でヒソヒソ話している生徒の話をまとめると、こういう試合の時に自然発生する応援団が俺の学校には存在するらしく、大抵部活を引退した高3や、彼らと仲の良い帰宅部で結成されるらしい。全校生徒の顔と名前をほぼ把握していて、活躍した生徒を見るや名指しでエールを送ったり褒めちぎったりするという。

 良い活動ではあると思いますが、ただのストーカーにしか見えん。


 結局華音様の決めたシュートはそれ1本だったので、「I・L・O・V・E・K・A・N・O・N」コールが再度響き渡ることはなかった。普通に対戦校もドン引きしてたと思う。それか、ドン引きさせて集中を切らせることでこちらに流れを引き寄せる、という妙案なのだろうか。だとするとなかなかの策士ではある。そこまで頭の回転があるようには見えないが。

 ともかく、その後は先輩達がバコバコ突っ込んで圧勝。というか、華音様のシュートを皮切りに、先輩達のスイッチが一気に入ったって感じだった。完膚なきまでに叩きのめす、って多分こういうこと言うんだな。すっげぇ。華音様はシュート後もディフェンスで体張ってたし、勝利に十分貢献してた。学園の女神に、勝利の女神が微笑んだってわけか。

 華音様は光る汗をタオルで拭っている。きっとタオルもふわふわで、柔軟剤の良い香りするんだろうなぁ。タオルになりたい。……いや気持ち悪いね、自粛しよう。

 そして彼女はフルで出場したにも関わらず、全く疲れを感じさせない足取りで、スタスタとどこかへ歩いていく。

 その先には…………皆川先輩。


(マジかよ……)

<京汰ぁ、せっかく華音様のいいとこ見れたのに顔死んでるよ? 結構ひっどい顔してるよ?>

(だって見ろよ、皆川先輩とあんなに楽しそうににこやかに……ハイタッチまでしてる……)


 事実、華音様は皆川先輩ととても楽しそうにお話なさっている。距離近いってだから!!! 肩と肩が触れそうじゃんか!! おい聞いてるのか2人とも!!!


 まぁさ、あの笑顔は俺にだけ向けるものじゃない。そりゃ頭では分かってんだけどよ……。

 見たくない光景ほど、食い入るように見てしまうんだよな。切ない。


<あーあ。僕だってうらや(ん、ごめん何?)>

<ん? んーん。テニスバカの代わりに見れただけでも良かったじゃんか京汰>


 城田、お前式神からテニスバカってあだ名付けられたぞ。おめでとう。

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