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俺の恋敵が人間じゃないなんて聞いてないんだが  作者: 水無月やぎ
第2章 決戦の10月
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#22 京汰の覚醒

 そんなこんなで、俺は廃人みたいな生活を4日も続けていたわけだが、生活面と精神面が共に見事に崩壊した生活も5日目にさしかかろうとした時、気持ちに突如変化が生じてきた。

 それは、俺が例の如くゾンビみたいな顔で夕飯を作ろうとしていた時に起きた。魂の抜けた顔でスーパーに寄って来た後で、ひょっとこみたいな顔でテレビを見る前のことである。

 急激な変化というのは、往々にして突如起こるものである。異常なレベルでお節介の悠馬が、かれこれ5日もの間何も話してこない、というもはや不気味な静寂に最近包まれていたことも、要因かもしれない。……そもそも式神がいる時点で不気味、という至極真っ当な指摘はこの際脇に置いておこう。 




 とにかく、俺は覚醒したわけである。

 目覚めちゃったわけである。



 てゆーか、気づいちゃったわけである。 




 俺、一応式神とのバトルに勝ったんだよね。

 ってことは、華音様諦めなくていいんだよね。

 彼女含め、みんなが俺に塩対応なのも、きっと一過性だよね。

 もうちょい時間経ったら、馬鹿な一生徒の奇行くらい忘れるよね。

 だって俺はもともとバカなんだもん。前にもたくさんやらかして来たじゃないか。


 コーラと牛乳を混ぜたものを飲んで、その瞬間せり上がる気持ち悪さに耐え抜いた事件。

 教室の後ろのスペースで2Lのコーラにソフトキャンディを入れて、思いっきり爆発させて周囲の机や天井をベッタベタにした事件。

 お花紙で大量のお花を作って、男同士で花嫁ごっこをして可燃ゴミをただただ量産した事件。

 誤って窓の外に落としてしまった紙パックジュースが、めっちゃ怖い生活指導主任の先生の頭上にジャストミートして、先生のパーマがベッタベタになって鳥の巣になった事件。

 ……これ全部、首謀者俺なんだよなぁ。入学から今までの約半年間で、反省文何枚書いてきたことか。


 これらの奇行をしても俺は登校し続けていたわけだ。華音様も笑ってるからいいやぁ、と思ってのうのうと登校していたわけだ。

 ……なんだ、俺、悠馬に出会う前の方がメンタル強かったんじゃないか?


 実際、俺が授業中に悠馬のせいで声をあげたことだって、もう誰も触れてこないのだ。

 そう、いつかは忘れるさ。

 だって、人間だもの。みんなは。

 式神じゃないもの。


 てことはつまり、今後も俺はこのバカの地位を脱出するために愚直に頑張って、華音様の視界にマトモな状態で入れるとこまで這い上がって、わんちゃん彼女の危機的状況(階段踏み外しちゃうとか転びそうになっちゃうとか、食パン咥えた彼女と出会い頭にぶつかりそうになっちゃうとか、んなことあるか分かんないけど)を救ってあげちゃったりして、華音様がまっすぐピュアな視線を向けて「京汰くん..……♡」ってなるシチュエーションができれば良くね?

 つーかこれで俺の決定的勝利じゃね? 悠馬の姿は見えないわけだし。勉強も目的あれば超絶やる気出るタイプだし、やればできるって今回分かったし、俺の姿が華音様に見えるという特権活かせば、まだ挽回のチャンス転がりまくってるよな、青春楽しむ機会きっとあるよな!



 ……って結論が、俺の脳内で唐突に、ただ極めてスムーズに導き出されたわけである。

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