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俺の恋敵が人間じゃないなんて聞いてないんだが  作者: 水無月やぎ
第2章 決戦の10月
19/80

#19 並行世界説

・・・・・・・・・・・・・・・


「おい、京汰」

「んー?」


 話しかけられても、俺は気づいていなかった。

 学年平均超えは、俺の人生最大の成功だった。

 そしてこの失態は、俺の人生最大の失敗だった。


 詰んだ。とは、まさにこのことを言うのかもしれない。


「あぁぁ!! 悠馬助けて!なんで俺あんなことしちゃったんだろ!!」


 ……あ、ちなみに言っておくと、ここは家なので、直接話しても差し支えはない。俺をひたと見据えた悠馬は、ただ魂の抜けたような顔をしているだけだった。

 ……ん? 式神の顔が、魂抜けてる?

 式神に魂……あんのかな…あったらすげぇ…………まぁいいや。


 そんなことはさて置き、とにかく俺は、学校という公共の場において、悠馬とは言葉を介さずに話すという自分で決めたルールを、学年平均を超えたという、自分史上最大の革命的事実にあたふたして、つい家にいる時と同じようにしゃべってしまったのだ。

 まるで家のように。「見たか式神!」なーんて決め台詞まで吐いて。

 平均点の掲示板の前に俺がいるというだけでとんでもなく珍しすぎることなのに、一般人には視えない奴相手に大声で勝利宣言……。

 幻覚起こしてる、とでも思われただろうか。きっと思われたかもしれないな。早速、「藤井はついにパラレルワールドに行ったらしい」という噂がたった1日で流れたくらいだもんな。噂って怖い。

 軽い出来心で薬に手を出して、テンション異常な爆上がり状態で俺にしては高得点を叩き出し、挙げ句の果てに幻覚症状が出た、なんて教師に思われなくて良かった。下手したら警察案件だったわ。カウンセリングなんていう枠じゃ済まないスケールになる所だったかもしれない。


 しかし、教師に目をつけられなかったとはいえ、俺にはまだ試練が残されている。

高らかに勝利宣言をしてしまったおかげで、周りの生徒からめちゃくちゃ変人扱いな目で見られる羽目になってしまった……。他クラスの知らない奴からの視線すら怖かった……。

 今更考えると、成績優秀者名簿に載ったわけでもないのに、たかだか平均点を超えただけで廊下中に響き渡る大声を上げていた俺はやっぱりバカだった……。帰宅部なのに、俺はすっかり有名人だ。


 でも聞いてくださいよ。この前の期末テスト、自分の平均得点が26点だった人間がですよ?

 次の中間テストでは全教科平均点超えを果たしたんです。つまり、全て60点超えたんです。世界史なんか81点取ってしまったんです。数学ですら62点取ったんです。前回の数学、俺14点だったのに。

 すごいでしょ? 数学なんて、前回から48点アップだよ? アイドルの総選挙で、選外だった次の年にシングルの選抜メンバーに入りました、くらいの快挙だと思いませんか? こんだけすんごかったら、そりゃあ雄叫び上げちゃうよね? 自分の隣で結果を気にしていた奴に、「ほぅれ見たかぁっ!」と言いたくなっちゃうよね?



 でも、この安易な行動の代償はめちゃくちゃ大きかったのである。

 ……マジ今回悠馬とバトルした意味よ。


 そう。

 俺に“マジ変人じゃんか。パラレルワールド行ったんか”的な目を向けた生徒の中には………




 俺が今回彼女のために頑張ったと言っても過言ではない、あの、あの篠塚華音様がいらっしゃったのである…………。

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