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俺の恋敵が人間じゃないなんて聞いてないんだが  作者: 水無月やぎ
第2章 決戦の10月
18/80

#18 君って奴は

・・・・・・・・・・・・・・・


 僕は、かなりびっくりした。驚きすぎて、勢い余って顕現しそうだった。危ない危ない。

 隠形したまま、必死で京汰に声をかけた。言葉を出せないのがもどかしい。


<京汰! ダメだって! 何やってんの?!>


 見たか式神! ってそれはさすがにNGでしょ!!!

 でも京汰は、隣の僕に目線を合わせて高々と勝利宣言をした。


「は? 何が? お前に勝ったんだぞ! 俺が勝利に浸って何が悪い。……あ、浸ってると悔しくて泣いちゃう? あら可哀想に」


 ……ダメだ。やっぱこの人、学年平均超えても人間性が底辺だ。キミの父親はエリートなのに……息子は底辺……。

 勝さん、アナタの気持ち、式神にも分かるかもしれない。

 ここまでのバカ息子抱えてたら、そりゃお世話を式神にお願いしたくなりますよね。

 式神カウンセリング、受けてみますか? 僕も京汰のせいで、心の傷を負いかけてるんです。


 そして案の定、以前何の罪もなしに京汰に殴られ、睨みつけていた男子生徒、通称・ルーズリーフくんが怪訝な顔をした。まわりの女子生徒……華音ちゃんも含め……胡乱な目をしている。

 掲示板の前で、一般人に視えない相手に大声で喜びぶちかます奴がいるかっての。



 京汰。

 やっぱり、やっぱり。

 どう考えても。天地がひっくり返っても。


 君は生粋の馬鹿だと僕は信じる。


「おい京汰」


 例の男子生徒が、不審感ありありの表情を浮かべて、京汰に話しかけた。


「んー?」


 一方の京汰くんは、自分の奇跡の脳みそに感激して、ご機嫌絶好調の様子。にんまり、という言葉がぴったりだ。ルーズリーフくんはそんな気色悪い京汰を見て、続けた。


「あの、さ……」


 次の瞬間、僕は固まった。


「お前、誰と戦ってたの? なんか式神がどーたらこーたら言ってたけど。つかお前常にワースト1位じゃん、戦う奴とかいる? それにトライアンフ? 勝利? 誰に勝利したんだよお前、大丈夫か? お前に勝負挑むような奴いねえだろ。どうしたんだよ急にやる気みなぎって。何かあったか? 奇跡の脳みそに感激して、逆に頭おかしくなったか?」


 ……バレてんじゃん!!! 式神ってキーワード知られちゃったじゃん! 無闇にバレたらいけないのに!!!

 僕と学校で話す時は、言葉出さずにねって言ったの京汰じゃん!なのに喜びのあまり、大声で僕に勝利宣言したの誰だよっ! そりゃみんな不審に思うじゃん! あんたが陰陽師の血を引いてるってこと、余程のことがない限りバレちゃダメなんだって! パパにそう教わったでしょ?!


 馬鹿なの、ねぇ馬鹿なの?!

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