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テイスティング

作者: ふなはしけんた

あれはまだ

きみと一緒に暮らす前

夏の伊豆に旅行へ行った


けっこう豪華なホテルで

夕食はフランス料理のコース

ソムリエがワインを運んでくる


銀のキャリアにクラッシュ・アイス

ティスティング・グラスにそそがれていく葡萄酒


…………こんなこと、やったことないぞ。


と、言うわけにもいかず、雑誌で見たとおりのことをした


ワインの香り

少し含んで味わう


もちろん、善し悪しなんてわかるはずはないけど

思いきり神妙な顔をして


「けっこうです」と告げる


表情のないソムリエ氏がきみとぼくのグラスを取り出して

キンキン冷えたワインを注ぐ


とくとく、とくとく


ソムリエが去り、二人だけになった


きみと目が会うと

もうこらえきれないという顔をして

大笑いしたよね


ぼくはなぜきみが笑っているのか わからなかったけれど


どしたの?


「今まで見た顔でいちばん真面目な顔だったから(笑)」


ひどいなー。恥をかかないように一生懸命やったのに。


「だからよ、一生懸命っていうのが、よーく伝わってきた」


ぼくは今でも一生懸命だよ

ずっと 一生懸命だよ

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