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三十二話 見えないものにちかう

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「全ての始まりから改めて説明する」

コガネはそう、話始めた


Gulliverはそもそも世界各地に存在するオーパーツや遺跡の研究をしていた別の組織から独立し、設立された

そのGulliverのボスが、今回の術式を組んだハルトという人物だ

彼の弟は二十年前のある日、異世界へと消えた

理由は分からなかったが、ハルトはそれ以来あらゆる伝承を調べて行方を追ったそうだ

Gulliverという組織を創ってまで

そして五年前、執念の果てにコード:ツクヨミは発見された

パラレルワールドのような同じ軸にある平行世界ではなく、全く別の軸を持った異なる世界

得体の知れないそこから一刻も早く救いたいと祈る横で、彼はひたすら確実に弟を連れ戻す方法を探っていた

それは結局、こちらからツクヨミに乗り込み、見つけ出すという結論に収まった

その為のGulliverの全組員を対象とした大規模な適応実験や試験的な魔物の召喚、こちらの生物の転移など複数回にわたって実施された

やがて全ての準備が整うと、ハルトは一人、転移陣を創り始めた


実行に移されたのは、陣が完成した日曜日の日の出直後だった

ハルトは最後の術式を口にし、陣は応えるように目映く輝いた

しかし転移どころか、二つの世界は急速に引き寄せられ、重なった

その上、術式によって喚び出されたのは、莫大な力を持った魔王の核

それは無数の魔物をこちらへと召喚し、世界は混乱の最中へと落ちていった


「無駄な恐怖を与えないために、魔王の核のことはハルトさんに近い人間以外知らない 俺はツクヨミへの適性が誰よりもあったからハルトさんとはよく話をしていたんだ」

そう、コガネは締めくくった

「重なったからではなくて、魔王の核とやらが喚び出したから魔物が現れたということね だからこそ魔王の核を倒せば世界は元に戻る、と」

オハギは神妙な面持ちで考え込んでいる

「この話、他には誰が知っているの?」

ユベシはいまいち飲み込めていない表情で首を傾げた

「俺も、知っているよ あとはオキナと、コナシも知っていた 本来はこの四人で一月だったんだ」

今まで無言だったアオが口を開いた

「一月は弟さんの捜索にあたるはずだった それがこんなことになってしまったから、チームとしてのバランスの為に後衛であるユベシが入れられたんだ」

そして仲間を失ったオハギも加わった

このことを知っていたから、オキナはよけいに罪悪感を抱いていたのだろうか

昨夜の、オキナのすすり泣く声を思い出した

『ねぇ、そのハルトとかいう人は今、どこで、何をしているの』

私の質問にコガネは少し目を泳がせた

「ハルトさんは… ハルトさんは、魔王の核のある場所に連れていかれたんだ 核の依り代として」

コガネは苦しそうに顔を歪めた


「ユベシ、オハギ、アメちゃん 俺達と一緒に魔王の核と戦ってくれないか」


アオは意を決したように頭を下げた

それがどれほど危険な行為か、分からない訳ではない

けれど、本当にそれで全てが終わるなら、私は戦う

オキナとコナシの為にも━━━━


ストックはここで終わりです

次話からは一週間に一話以上不定期での更新となります

少しでも早く続きを上げれるように励みますので、よろしくお願いします

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