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十七話 力のランク

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それから数時間、オハギはずっとテントに籠っていた

出てきた彼女の顔は痛々しくむくんでいたが、それも黒い砂とともに消えた

「ありがとう、アメ こんなに早く仇が取れるなんて、思ってもなかった」

オハギはそう、綺麗に微笑んだ

猫が満足気に私の足にすり寄る

『いえ、お礼ならコガネに 私はコガネについて駅に行っただけだから』

仇を討ったのは単なる偶然だ

けれどオハギは首を振って、私の頭を撫でた


ずいぶん長いこと待たされた男性陣は、オハギを見た瞬間気遣わしげだったが、その顔を見てすぐに笑った

「もう大丈夫みたいだね さっき本部に確認したけど、とりあえず一月は待機することになってる アメちゃんへの説明も途中だし」

全員が席に戻ったことを確認し、アオは話を再開した

「ここからはコガネが話してないことを中心に説明するね 俺達のランクについて」

さきほどオキナの話にちらりと出た強さによるランク分けだ

ランクは三つ

最上位はAランクで、複数の属性魔法や複数のスキルを持つものが分類される

「コガネは七属性の魔法を使うし、俺は二属性魔法と状況把握のスキル持ち、オハギは身体強化と猫への力供給のスキルがある」

一月は三人がAランクで、全チームの中でも主力部隊という立ち位置にあるそうだ

平均的な戦闘力を持つのがBランクとなる

ここには二属性魔法だけが突出しているユベシと火属性魔法が少しと弓が扱えるコナシが分類されている

そして非戦闘員であるCランクだ

力への適応が低く、戦闘も不向きな人員が分けられる

「私がこのチーム唯一のCランクだよ~ でもどの魔物からどんな素材が取れるか見分けるスキル持ってるからぁ トップチームに配属されたのさぁ」

オキナはどや顔で説明してくれた

これで一応全員の戦力の説明が完了した

「アメはたぶんAランクぐらいの戦闘センスと力への適応がある 魔法は土属性の指輪だけだな」

私の代わりにコガネが口を開く

アオはその言葉に少し思案した

「戦闘はとりあえず俺とコガネ、アメちゃんが前衛 コナシとユベシが後衛でユベシのサポートにオハギ、コナシのサポートにオキナでいこう」

どうやら戦略を練っていたようだ

各々頷きを返す

「まあ、今日はまだ待機だからゆっくり休もうか」

アオはのんびりとそう締めくくった


「チーム一月っ すぐに出動してくださいっ」

長い説明も終わり、ようやく休めると思ったとたんに伝達係がテントに飛び込んできた

緩んでいた空気が一瞬で引き締まる

アオはすぐに立ち上がり状況を確認し始めた

コガネ達も武器や防具の確認を始める

私はそっと新しい短剣を撫でた

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