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幕間 読飛必然

※今回は趣味全開の微下ネタ回です

 読み飛ばしてもなんら問題ありません

 書きたかっただけですすみません

それは何でもない普通の日のはずだった

けれど全ては整った

俺たちの夢が実現する記念すべき日になるのだ

ハルトさんが最後の術式を唱える

全ては整ったはずだった


「コガネッ 前に出過ぎるなっ こいつらはいつもと違う可能性だってあるんだっ」

リーダーのアオが叫ぶ

けれど俺は止まらない

目の前には巨大な虹色のタコ型の魔物がいる

『平気だっ それよりちゃんと足抑えとけよっ』

八本の足の内二本はアオが片手剣と短槍の二刀で、残りの三本ずつを弓使いのコナシ、魔法使いのユベシが抑えている

あまり長くはもたないか

俺は一気にケリをつけるため、虹色の足を駆け上がる

そのまま背負った愛剣ー白烏の存在証明(ヘンペルのカラス)ーを両手で構える

『大事な頭ががら空きだぜっ』

馴染んだ重みは腕を加速させ、空を切る

銀の刀身は目映く煌めき、タコの頭へ吸い込まれた


『なんだっ!?』


刃が届くその瞬間、俺の身体は何かに絡めとられた

それは紛れもなくタコの足

誰かが止め損ねた?

しかし誰も声をあげていない

全身をきつく締め上げられ後ろは見えない

状況が把握できない

太ももほどはある足がぬるぬると身体をはいまわる

『いっ!?』

吸盤が吸い付いたかと思うと勢いよく剥がされた

それによって脱げた鎧は下へと落ちていく

下に着ているのは防御力のないただのTシャツとパンツ

トランクスの裾が風でなびく

巻き付いたタコ足がTシャツをぼろぼろに引き裂く

「コガネッ!?大丈夫かっ くそっ足が十本なんて聞いてないぞっ」

事態に気づいたアオの声で理解した

こいつタコみたいな面してイカだったのか

「きゃあっ コガネなんて格好してるのよ! この変態っ」

釣られて気づいたユベシの悲鳴が聞こえた

Tシャツはもはや存在しない

トランクスもぎりぎり繋がったティーバック状態だ

『くそぉ 見んなぁ 変態はこの魔物だろ!?』

叫びながら暴れるが余計にタコ足、いやイカ足が吸い付いてくるだけだ

万事休すというやつか

しかも暴れたせいでトランクスの端が千切れた

重力に従い布はするすると下へ落ちていく

このままでは俺の俺が見えてしまうっ


「闇夜の調べっ!!」


さらりと舞った布とほぼ同時、間一髪でユベシの闇魔法が股間にまとわりつく

『ナイスユベシ!』

俺の危機は去った

しかし状況が好転したわけではない

むしろユベシが一瞬の隙で劣勢になった

アオがすかさずもう一本をカバーする

アオが二刀で三本、ユベシが魔法で二本

『くそっ最後の手段だっ』

できる限り使いたくなかったがそうも言ってられない


『地獄火焔!』


左手から巨大な炎が産み出され、一瞬で巨大イカを包む

イカ足は瞬く間にまるまり、俺は解放された

結構な高さだったが一回転して着地する

どうやら魔法が効いたようだ

ふらりと、視界が揺らぐ

最大出力の火属性魔法だ

今の俺では一発が限度

耐えられなくて膝をつく

「コガネッ とりあえず拠点へ戻るぞっ」


そう叫んだのはきっとアオだった

ああ、きっと帰ったらオキナに馬鹿にされるんだろうな

俺の意識はそこで途切れた

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