ウサギ
「あ。優希、櫂、先帰るな」
鞄の中に財布があるのを確認してから席をたつ。
「ん?あー、買い出し?」
「あぁ。ちょっとたまご買いたい」
「俺もいくー」
櫂が眠たげな目でいうのをなんとなく見ながら断る。
「やだよ。お前らすぐ菓子かごにいれるじゃん」
「ケチくせーなあ」
「倖はケチだな」
「家計簿に影響するからな」
妹にライ○してから教室を出る。
「待てって。駅まで一緒だろ」
「家計簿とか本当に倖は、女子力高いなあ
むしろお母さん顔負けなんじゃない?」
「櫂、馬鹿にしてる?」
三人で喋りながら歩いているとバス停の横に
変態がいた。
(((...ウサギがいる)))
ウサギの被り物をした男子校の制服を着た変態を
三人でスルーしながら早足で立ち去る。
「なに今の?」
「「ウサギ」」
「いや、そうじゃなくて」
「「変態」」
「いや、そう、だろうけど」
いじめとかだったらどうしよう。
そう思ったらなんだか罪悪感でいっぱいになった。
(ちょっと見てくる)
(ぇ!マジで?)
(まぁ...変態ならお巡りさんに通報しよう)
(えぇ...マジかよ)
(倖は、お人好しだからね)
(いや、それはないけど)
((え?自覚ないの?))
(え?)