それぞれの反応
姉
「やだ、本当に好きだわ。」
弟の手作り弁当を愛しそうに抱えながらゆっくりと時間をかけて食べる。
「お前の弟、女子力半端ないな」
「本当に家族じゃなきゃ押し倒してたわ」
「?!」
兄
(うまい。ホタテのやつ旨い)
パクパクと無言で食べながら作って欲しい物を脳内にあげていく。
「倖雪くん?だっけ?お弁当作ってるの」
「あぁ。本当に旨い。やらないけど」
「のろけるなよ...弟くん、くれない?」
「俺と妹と姉さんに勝てたらな」
「え、なにその無理ゲー」
妹
「朔蘭のお弁当いつもかわいいね」
「今日は、ハムとチーズのウサギとくまか。
昨日はたまごに顔かいてあったね。」
...兄さんのお弁当は、可愛いのだけれど
そろそろ恥ずかしいしやめてほしい。
いや、美味しいんだけどさ。
「うわっこれ!これっめっちゃ旨いよ!」
「勝手に食べないでよ。」
兄さんのお弁当を死守しながら食べ終わると
袋の中に入っていたみかんを取り出す。
...なにこの銀紙。
「あ、べっこうあめだ」
「いいなあ、ちょうだい」
「やだ」
ウサギのべっこうあめは、かわいいからよしとする。
父
無言で食べ進める。
愛妻弁当羨ましいなあという部下に
これは、息子が作ってるというと驚愕された。
失礼なやつだ。
母
息子が作ったお弁当にジャムとハチミツと一味を投入。
同僚と部下にドン引きされる。
「美味しいわよ?」
「俺、先輩の仕事ぶりには尊敬しますけど
それはないっすわ」
「ぅえ...甘くて辛い匂いに苺の酸っぱさが....」
「やめろ!実況するな!!」
(兄さん、可愛いお弁当は...いやなんでもない。
おいしかったよ。)
(倖、ホタテのやつまた食べたい)
(倖くん、塩麹のやつちょー美味しかった!!)
(ん、旨かった)
(倖ちゃん、ごちそうさまあ)
(...母さん...なんかお弁当箱がベタベタするんだけど...)
(えー?)
(いや、やめとく。なにも聞かない。怖い。)