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詩集 寂しさにたへたる人の

ひとり

作者: 小日向冬子

 『仮面』


ぺりぺりと

音を立てて

剥いでいった


タマネギのような

その皮に

守られて


小さく怯えた魂が

膝を抱えて

泣いていた

 


 『あのこ』


きちんと愛される人もいるので

私は何だか悲しくなります



 『寂しさの遺伝子』


濃縮されてゆくのだろうか

拡散されてゆくのだろうか


この絶望的な寂しさは

何処から来て

何処まで続いてゆくのだろうか



 『草笛』


きしむような切なさに

ひとり立ちすくむ


時だけが過ぎていったね

僕はあの頃のまま

固く膝を抱えてる


ああ

なにもかもが風になって

耳元を吹き過ぎていく


子どものままでいるのも

思うほど美しいことではないと知った


窮屈に閉じた空の下

何度も寄せては返すだけ


行き止まりの僕の人生

僕自身を置き去りにしたまま

肉体だけが確実に時を刻む


いつまで僕はここにいるだろう

いつまで取り残され続けるのだろう

ひとり悲しい草笛を吹く

この草原で

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― 新着の感想 ―
[一言] 自分自身を出来るだけ大切にしたいですね。 こんな言葉が浮かびました。 心の中に幼い私がいる。取り残された部屋の中で、じっと待っている。ただ待っている。いつのまにか届いていた、この淡い桜色の…
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