王子も婚約者候補として現われる
……え、なんで王子まで現れるの?」
幼女は朝の城内パトロール中、廊下の奥から聞こえる軽やかな足音に気づいた。
振り返ると、そこに立っていたのは――王子。
「おや、幼女殿。今日も王宮はカオスですね」
「あ、王子……いや、何その余裕の笑み。私が翻弄されてるの見て楽しんでるでしょ?」
王子はにっこり笑いながら「いえいえ、私はただ……平和のために来ただけです」と言う。
……平和?
この城に平和なんてあったっけ? 朝から王冠ジャンプして、靴磨きルールに従わされて、ペンギンとトナカイの喧嘩を見てきたのに?
「それより、王子。ここで何の用?」
「実は……君を僕の婚約者として迎えたいと思いまして」
「は? え、ちょ、ちょっと待って! 私まだ幼女ですけど! しかもLv50って言っても見た目5歳ですけど!?」
幼女は心の中で叫ぶ。王宮はもう充分カオスなのに、さらに戦場を増やす気か。
「でも……君が強くて可愛いと噂を聞きまして……」
王子、にこやかに言うけど、その手には花束。いや、花束って……5歳相手に渡すか普通。
「いやいやいや、強いからって求婚は飛躍しすぎでしょ! 可愛いからってもらわれるのはおかしいでしょ!」
幼女、チート頭脳フル稼働でどうかわすか考える。
「じゃあ……条件付きでなら考えてもいいわよ?」
「条件? どんな?」
「王宮のルールを一週間で全部私に従わせられたら考えてあげる」
王子、目を丸くして答える。
「一週間!? それは……まあ、挑戦ですね」
幼女、にやり。
「フフ……やっと遊び相手が増えたわね」
そこへ、国王がやってきて、状況を把握して大パニック。
「な、なんだと!? 王子が婚約者候補!? いや、僕の花嫁になるのは君だって言っただろう!」
「だから国王、私は幼女なんですってば!」
王子も国王も振り回され、城内は再びドタバタ。
幼女はニヤリと笑いながらチート魔法をちらつかせる。
「さて……どっちが先に私に振り回されるか、楽しみね」
こうして、幼女×国王×王子の三角関係(?)が本格的に動き出した。
城内は今日も混乱と笑いに包まれ、幼女のチートパワーが炸裂するのであった。




