97話
3連の弓矢が至近距離で発射された……恐らく。
私は貫こうとした木刀を途中で離すと同時に背面へと仰け反って躱す事を試みた。
至近距離から発射された矢は私の眼と鼻の先を掠める様にして飛んでいった。
チッという音と共に少しだけ鼻の先っぽを掠めた。
よし、躱した。直ぐに反撃だ。
そのままバク転してダッシュ。地面に落ちた木刀を掴み敵ケンタウロスに向けて押し込むように手を伸ばした。
私の放った一撃はケンタウロスの脇腹付近へ突き刺さりその肉をえぐった。
私とは結構な身長差があり頑張れば木刀は顔付近へ届くぐらいだろうか。
実質的には足下を狙うのが効果的かな。
一旦距離を取り様子を伺うがケンタウロスは私にえぐられた脇腹を片手で押さえ蹄を強く鳴らしこっちを見ている。
足を狙って低空から走り懐へ、そのまま木刀を横に薙ぐ。
足を狙う私の攻撃をケンタウロスはジャンプして躱したと同時に足の一本が私の頭を掠め蹴る。
痛、そんな簡単に逃がさないよ!
後ろ向きになっているケンタウロスを素早く追いかけ捉えた。
後ろ向きのケンタウロス。でも以外に隙が無かった。
ジャンプして上半身をと思った瞬間、後ろの両足が思い切り上がった。危ない危ない。
だけど足が降りた瞬間はチャンス。強さより正確さ、狙いを定めて足下のアキレス腱付近に突きを放つ。
コレが完全にヒットし暴れた後に足から崩れ落ちるケンタウロス。
もう当分は立てない。
その後は急所を的確に狙って倒した。
戦闘終了。
振り向くとパーティの皆がもう到着し見守っていた。
ニコッと笑って親指を立ててみた。
するとパーティの皆も釣られて親指を立ててくれた。あははは。
「おつかれさま。さらおちゃん、敵はどうだった?」
「結構戦いにくかった……です。遠くから近づくのが大変でしたね」
「そうね。結構距離があったからね」
「サマーさんならどんな感じで近づきますか?」
「…………うーん。私はスキルで隠れるっていうスキルを持っているからそれに頼っちゃうかしら」
「ああ…………………」
そ、そうか、私もそんなスキル持っていたよ。
こういう時にも使えるのか。ぐぬぬ。
「それで始めの一撃で戦闘不能にするぐらいのを叩き込めば簡単かな」
「そ……そですね」
「まぁでも弓を避けて近づくのは悪くないわよ。慣れれば簡単だし」
「……………………」
サマーさんが強い訳を知った気がする。
経験にセンス。
私との違いは結構ありそうだ。
うん、凄く参考になったヨ…………遠いね。
「おつかれさまです、エクスパンドさん」
「ああ……」
「け、結構至近距離でも隙が無く強かったです。ケンタウロス」
「……ふむ。そうだな。しかし、純粋な打撃や弓だから経験を積めば大したことが無いぞ」
「…………なるほど」
純粋な打撃に弓。
対処しやすいという感じかしら。見えるのものが全てと。
ふむふむ。
その後ジルさんとケンタウロスについて話しジャッジさんはニヤニヤしていたので話さなかった。
「おほー。つれないなぁ、さらお」
「………………」
良い人だし、凄い人なんだけどねぇ…………。
私も難しい年頃だった様だにゃー。




