86話
お、次の獲物が来たね。
ええと…………。
ネズミが一匹……ネズミが二匹…………っっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっw
「ジルさん! 多いよう」
「うん。多すぎる」
そこにはネズミことレモンラット、蛇、スケルトンとか犬、いや聞いていたウルフパーティかな。
多分50を越えている数がダンジョンの道を塞いでいる。
「でも所詮雑魚だよさらお」
ジルさんは呪文を唱えだした。
「――――――――理に反してウォーダーフィア」
魔法は私を越えて敵が一杯いる所へ放たれた。
何の呪文だろう?
その朱水色の呪文は敵の手前1メートル付近で弾けて大量の水が敵へと流れ込む。
50を越えたダンジョン内通路の敵の殆どはジルさんの魔法の影響でダンジョンの奥へと流されていく。
流されなかった敵も食らった水の魔法? に痛がる様な動きをしている。
多分継続的にダメージを受けているんだ。
「さらお、進むわよ」
「はい――――」
倒されずに残っている敵をジルさんは杖で、私は木刀で叩きながら先へと進む。
魔法によるダメージは結構受けている様で私の軽く叩いた攻撃でも消滅したり倒されたりという敵が殆どだった。
――――――――これが、魔法。
この前オークとメテムルの時に使っていた魔法とは威力が全然違う。
あの時、どれだけ手を抜いていたんだろうか。
彼女、ジルさんの横顔をチラ見した。
余り表情は変わらないが何かを考えている様な……。
少しだけ、機嫌が悪いというか、何か、自分が嫌なこと、嫌いなことを考えている。
そんな横顔に見えた。
そして、3階層もお終いの行き止まりが見えた。
ソコには地下1階で見た石版のような、同じ作りの物がある。
「さらお、そこがゴールだよ」
「え? あ、そうなんだ…………」
アレ? もうお終い。
って感じはあるがジルさんはそう話した。
石版を見ると初級ダンジョンアリア 地下三階 踏破 記念碑と書いてある。
更には、この記念碑へ手を翳すと踏破の証しとなります。
次のダンジョンへの資格と記念品が貰えます。
ふむふむ。手を翳してみた。
『初級ダンジョンジュリアへの資格を得ました。記念品として『有明の昔日』を受け取れます』
「え…………あ、ああああああああああああ!」
「…………ど、どうした? さらお」
「ああああああああ――――――――――――――――――――――――っ、目、目がああ…………あれ?」
な、にが起きた? 何が起きた? えええと、目が痛――――かったのが収まって、もう大丈夫だ。
つぅー。
痛ったかったー。
一体何でよお。何があったのよう。
「じ、ジルさん……私の左目、何かおかしくないですか?」
「左目……………………ん? 少し……赤くなっているね」
「――――――それだけ……ですか?」
「う、ううん。そうだ……ね、うん。変わりは無いよ、少し赤いけど……念のため状態異常の回復とか掛けておくね」
「あ…………ありがとうございます」
何だったんだろう? 今はもう全然痛くない。
ううーん。
そういえば私、何か受け取れますって……何もらったんだろ。
サッパリ分かんない。
そして帰り道は大した事も無く無事、地上へ戻れた。
ジルさんには次はジュリエッタダンジョンですと伝えておいた。
貰った物の話は良く解らなかったのでしなかった。
「おつかれさらお…………3時間ぐらいだね大体」
「はい――――ありがとう御座います。ジルさん」
次はジュリエッタダンジョン。
1時間休憩後にさっきの入口付近のカウンターで待ち合わせねと話されジルさんと別れた。
私はとりあえず鏡を見たかったというか、目を確認したかったから鏡を探し、目を近づけて見てみた。
…………確かに少し、赤くなっている気がする。
それだけかなぁ? うーん。
と目を見ていると頭に許可しますか? って浮かんだ。
「……ん?」
『バージョンアップの申請許可 Y/N』
バージョンアップ?
って何の? ええとパソコンか何か?
良く解らないけど……Y
「あっあっあっあっ…………」
えっ? 目の中で…………小人が動いてる?
動くたんびに目がちかちか……あっあっ。
コレ、目の中? 外? 何が…………起きているの、よう?




